【ハリー・ポッター】編
210 クラウチ家のスキャンダル
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なはず。
……もちろん、今のところは推論の域を出ない。……と云うのも、俺の所感ではクラウチ氏は反闇の魔術≠フ最右翼といってもいい人物であり、その人物が息子であろうと助命するとは思えなかったからだ。
(……なんか、色々とこんがらがってきたな)
思考が右往左往してしまったが、取り敢えず俺が言いたいはクラウチ氏が終身刑になるはずだった息子のその死を偽装し、隠匿していたと云うこと。
……確かにこれは、クラウチ氏を保護していた時に言っていた様に大変なこと≠セろう。
「校長先生、クラウチ氏の夫人は…」
「ロンの予想通り、亡くなっておる。息子が亡くなったとされるほぼ同時期じゃ──奇しくものう?」
「……同時期に──あっ、ポリジュース薬≠ナなら…」
「ほう! 儂でも先ほどそこに思い至れた事じゃというのにもう辿り着けたのか。……誠、巧妙な手口じゃよ」
俺は今気付いた≠ニでも言いたげにポリジュース薬≠ニ云うワードを口にすれば、ダンブルドア校長は面映ゆそうに破顔させる。しかしそれも数秒のことで、直ぐに頬の筋は引き締まった。
「……ロン、お主は蒙昧な老人にバーティを襲った人物を──ひいてはアニーを謀り対抗試合≠ヨと参加させた人物を教えてくれたのじゃろう?」
やはり何かしらの確信をもっているらしいダンブルドア校長。テキトーに惚けても良かったが、ある程度は開陳することに。
「……結果的にそうなってしまいましたね──ああ、もちろん校長先生が蒙昧だなんて露ほども思ってませんが」
「と云うは、ふむ、儂も捨てたものではないと云うことじゃな。……じゃが…」
「バラしませんよ」
「ほう」
言い切る俺にダンブルドア校長は感嘆する。
ダンブルドア校長は去年度のクリスマスにもたらされたトレローニー先生の予言≠ゥらして、ヴォルデモートが近いうちに甦るのを予見しているとみていい。
……そして俺も同様にそう予見している=Aと気付いているとしてもいいいだろう。……それなのに俺はヴォルデモートの復活を言外に許容した。その事がダンブルドア校長の琴線に触れたのかもしれない。
「……ロン、お主はまるで未来を見透しておるようじゃ──さあ、今日はもう戻りなさい」
そのダンブルドア校長の呟きに、ジャパニーズ・スマイルで誤魔化して退室した。
それから幾日して、第三の課題の日がやって来る。
SIDE END
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