蛇鬼の鰭
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「ナツさん!!
上がった息でシェリアを持ち上げているのは街に残してきたはずのナツさん。もしかしてハッピーが連れ去られたから追い掛けてきたのかな?
「こいつ・・・」
「先生の重力下で・・・」
ブルーノートさんの魔法で、以前は彼も立ち上がることすらできなかった。それなのに今は、平然してシェリアさえも持ち上げている。
「よくもハッピーを盗んだな」
「ごめんなさい」
ただ、彼は状況をイマイチ把握できてないらしくシェリアに対して怒り気味。なのでシャルルとセシリーの方から説明します。
「ナツ!!今はそれどころじゃないの!!」
「あいつがいるの〜!!天狼島で僕たちを苦しめた〜・・・」
「ブルーノート」
「ん?」
その言葉でようやく彼の存在に気付いたナツさんはそちらを見上げる。しばし互いを見ていると、ナツさんらしい解答が来た。
「覚えてねぇな」
「ウソォ!?」
ナツさんらしい解答に私とシリルは苦笑いするしかない。でも、それを聞いたからなのか、相手に異変が起きた。
「ごはっ!!」
「ひぎ!!」
「せ・・・先生・・・ぐぁ!!」
「な・・・なんて魔力だ・・・」
「う・・・動けん!!この俺が・・・一歩も・・・」
ブルーノートさんの魔法により地面に叩き付けられ動けなく蛇鬼の鰭の皆さん。それをやった本人は彼らに構うことなくナツさんに突進してくる。
「先生!!」
血迷ったのかと思われるほどのおかしな行動に魔物使いが呼び止めるが、彼は重力魔法でナツさんを押し潰そうとする。
「潰れろ!!」
大きく沈む大地。その時ナツさんの左手から炎が吹き出る。
「潰れるかぁ!!」
その拳で地面を叩き地面を押し上げるナツさん。これには敵も味方も驚かずにはいられない。
「妖精の尻尾は潰れねぇ!!」
それを聞いた時、私とシリルはナツさんに見惚れてしまいました。ずっと入ってた、大好きだったギルドが解散したと知って、普通なら諦めてしまうのに。誰も立て直そうなんて思わなかったのに、彼はそれを絶対に諦めない、元の大好きな仲間たちと共にもう一度作り直そうと本気で思っているのだとわかったからだ。
「勝手に潰すなー!!」
「こいつぁとべ―――」
激昂によって放たれた炎。それは空をも焼き尽くすほどの大きなもので、8年前に私たちを苦しめたブルーノートさんは、真っ黒焦げになり、地面に伏した。
(一撃・・・!?)
(シリルとのバトルの時は本気じゃなかったの〜!?)
(この一年でどれだけ強くなったの?ナツさん)
(俺だって万全だったらぁ!!)
レオンと大差ないほどの力を見せつけた彼に驚愕し、何も言葉を発することができない。
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