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フルメタル・アクションヒーローズ
第48話 物語の終わりと、始まり【挿絵あり】
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して、談笑していたクラスメート達は渋々と自分の席へと引き返していく。

「よ〜し、んじゃ早速始めっぞ。テメーら美人の女教師とかじゃなくて残念だったなオラァ」

 無精髭が似合い、今の龍太に匹敵する負のオーラを噴出している担任教師。四十代前後のその教師は、細く萎びた目線を龍太と賀織に向ける。

「オメーもさっさと席につけ、矢村ぁ。ヤるのは勝手だが、そん時はせめて屋上に行けよ。ここでは盛んな」
「だだ、誰がそんな破廉恥なことするんや!? 先生は関係ないけんッ!」

 スカートの裾を抑え、頬を赤らめた賀織が絶叫する。その仕草に、男子一同は興奮の余り、彼女に負けじと顔を紅潮させた。中には鼻血を噴き出し、椅子から転落する者もいる。

「矢村の赤面キター! たまんねぇよオイ!」
「一煉寺死ね〜! 今すぐ死ね、今死ね!」
「そんな奴に賀織ちゃんの純潔を渡してなるものか! 一煉寺に奪われるくらいなら、いっそのこと僕が――」
「テメーらの赤面なんて誰が得すんだよキメェな。いいから座れ、転校生が教室に入れねーだろーが」

 今がホームルームであることを完全に度外視して、各々で騒ぎ出すクラスメートの男子一同。そんな男性陣を冷ややかに見ている女性陣を代弁するかのように、担任がバッサリと言い斬った。

 痛い点を突かれ、それに耐えうるバイタリティも持たない彼らは、敢なくその言葉の前に沈没していく。「キメェ」と両断されてしまった男子達は、萎む風船のように各々の席に縮こまって行った。

 その過程で、クラスメートの一人が眉を吊り上げる。

「……転校生……だと……!?」
「ん? あぁ、まぁそうだ。一緒に勉強するのは二学期からになるが、その前に挨拶くらいは済ました方が、本人の為になるって思ってな。聞かれる前に答えとくが、一応女だぜ」

 刹那、呟いたその生徒が、何かに覚醒したかのような眼光を放つ。奇跡の存在を、今、確かめたかのように。

「――うおぉぉおおッ!」

 そして天さえ突き破りそうな程の、歓喜の叫び。彼をその筆頭として、数多の男子生徒達が狂喜のオーケストラを巻き起こした。

 転校生の女の子。ボーイ・ミーツ・ガールを信じる男子なら、一度は憧れるシチュエーションだろう。クラスメートの男性陣は今、自分達の楽園をこの教室に見出だそうとしていた。

「じゃーまー、取りあえず入れるぜ。テメーら仲良くしてやんねーと、社会的にヤバイぞ」

 忠告するような担任の口調に、龍太は眉をひそめる。

「社会的に……? 仲良しを求めるだけにしちゃあ、妙な脅し文句だな」

 そんな彼の疑念をよそに、男性陣は腕や腰を振って転校生の到来に喜び、テンションを限界まで高めようとしていた。
 担任はかなり「社会的に」という部分を強調して
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