エピローグ
第46話 一年半の月日
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しかし、だからといって彼は賀織を責め立てるようなことはしなかった。
例え友人作りが犠牲になるとしても、大して魅力もないのに自分にやたらと構う、彼女の好意を無下にはできない、という男のプライドが働いていたためだ。
だが、そうして彼女を甘やかしているせいで、嫉妬の炎が消えずにいるのも事実であり、時々ため息をついたり愚痴をこぼしたりもする。彼が全てを背負えるスーパーヒーローになるには、精神面が今ひとつなようだった。
「さて、んじゃ行くか!」
「うん!」
白シャツと黒ズボンという夏服の格好で、薄いカバンを持って玄関から出て来た龍太を、賀織は満面の笑みで出迎える。既に気分は恋人同士であるかのようだ。
彼女は龍太の傍に身を寄せると、露出している彼の腕に視線を落とす。そして本人を意識させないようにゆっくりと、そこに自分の腕を絡めた。
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