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フルメタル・アクションヒーローズ
第43話 矢村さんがアップを始めました
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読みしたかのような速さで、補足を挟んで来る。
 「救済の先駆者」ってそんな機能ばっかなんだよな……。コレがあるべき姿なんだと思うと、「呪詛の伝導者」とのギャップがスゴイ。

「そして、樋稟はお前さんを連れて救芽井家まで向かい、わしは賀織ちゃんと二人掛かりで剣一を運んで、その後を追った――というわけじゃよ」
「そうだったのか……それで、後から甲侍郎さんや華稟さんを助けたってわけなのか?」
「うむ。もちろん、『解放の先導者』を量産しておった『プラント』も完全に破壊した。これで『技術の解放を望む者達』は完全壊滅、ということになるのぅ」

 ――なるほどね。俺がくたばりかけてる間に、いろいろあったんだなぁ……。
 とにかく、無事に事件が片付いて本当に良かった。もう何度コレ言ったのかわかんないけど、何回でも言いたいくらいホッとしてるのは確かだ。

 しかし、一連の事件が解決したとなると、救芽井家がここにいる理由はないはず。近いうちに、アメリカにでも帰っちまうんだろうか?

「さて……ここまで世話になっておいて難だが、私達は早急に研究所まで戻り、開発作業を再開せねばならない。今夜、日付が変わる頃には町を出る予定だ」

 ……はやあぁあーッ!? ちょっと甲侍郎さん、いくらなんでもそれは性急過ぎでは!? そんなに早く帰らんでも、研究所は逃げないでしょーに!

「申し訳ありません。できることなら、もっとゆっくりして行きたいところなのですけれど……。救芽井家全員が研究所を留守にしていては、そこに内包されている技術データが流出しかねないのですわ。第二の『技術の解放を望む者達』を出さないためにも、急いで引き返す必要があるのです。ご理解願えませんこと?」

 明らかに「えー!?」という驚愕の表情になっている俺と兄貴。そんな二人の兄弟に、麗しい聖母は困ったような笑みを返していた。

「ほ、ホントなのか? 救芽井」
「ええ……お父様とお母様の言う通りよ。剣一さんのこともあるし、早くアメリカに戻らなきゃいけないの。明日の朝には――もう、私達一家はここにはいない」

 ……なんてこった。「用が済んだなら、そのうち研究所とやらに帰るんだろうな〜」とは思っちゃいたが……まさか、こんなに早いとは。
 俺のせいで矢村はもう寝ちゃってるし、なんかよく見たら、家族揃って荷物まとめだしてるし……。

 ――だーちくしょー! こんな終わり方っていいの!? 祝勝会くらいしたっていいだろ!?
 なんなの!? 救芽井家の皆さんってなんなの!? 超が付く一子相伝のクソ真面目一族なの!?

「くは〜、やっと平和になったかと思えば、もうお別れかぁ〜。古我知さんのこともあるし、もうちょっとゆっくり話したかったモンだよなぁ、龍太」
「全くだ! ていうかご家族一同の
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