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フルメタル・アクションヒーローズ
第43話 矢村さんがアップを始めました
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。じゃが、あの時の剣一は、龍亮君が『技術の解放を望む者達』を知っているとは思っておらんかったはずなんじゃ。故に、迂闊に悟られて被害対象が広がらぬよう、わしが行く必要があった」

 ……なるほどね。やっぱゴロマルさんも、この件で責任を感じてたってわけか。兄貴を遠ざけるため、年寄りが無理して冬の夜道に出てたってことなんだな。

「甲侍郎が着鎧甲冑を作ろうと言い出したのも、元はといえば、わしの女房が昔の災害で亡くなったからなんじゃ。母を亡くしたこやつの、無念からくる想いの強さが、この事件を呼び起こす結果を招いてしもうたのじゃよ」

 ――マジか!? そんな背景があったとは……あ、なんか甲侍郎さん、そっぽ向いてる。まぁ、自分の話を人前でされちゃあ気まずいとは思うが……案外、照れ屋?

「じゃからこそ、あんな状況で当事者に近しいわしが、手を拱いておるわけにはいかなかったんじゃ。戦力としては何も出来そうになくとも、せめて結末を見届けたかった。君のような無関係な少年まで、巻き込んでおったことじゃしな」
「で、来たときには丁度ケリが付いた時だったと?」
「――驚いたのぉ。あんな状態で、まだ意識が保てておったのか?」

 俺が記憶の糸を辿って出した言葉に、ゴロマルさんが目を丸くする。やっぱり、俺があの時見た人影は、ゴロマルさんだったんだな。

「そう、わしが来た頃には、既に戦いは終わっておったのじゃ。そのあと、状況を読んだわしは剣一から『呪詛の伝導者』の『腕輪型着鎧装置』を奪い、着鎧した」
「えっ!?」
「そして行く途中で拾った剣を使い、樋稟と賀織ちゃんを捕まえていた黒ロープを切断した。あれを切り裂くには、剣と『呪詛の伝導者』のパワーが必要じゃったからのぅ」

 お、驚いた。まさか「ゴロマルさん」が「着鎧」していたとは……! あのミニマムサイズで「呪詛の伝導者」になられても、威圧感なんてカケラもなかっただろうになぁ。
 もし意識が残ってたら、間違いなく噴いてただろう。だって今、ちょっと想像しただけでも腹筋がスパーキングしそうなんだし。

 ……つーか、それだけ敵の情報掴んでるなら全部教えてくれたって良かっただろ! おかげでこっちは死ぬ思いしたんですけど!?
 ――まぁ、そんな時間があったとも思えない、ってのが事実なんですけどね。

「それから、自由になった樋稟はお前さんから『救済の先駆者』の『腕輪型着鎧装置』を取り上げ、強引に着鎧を解いた。そして今度は自分が着鎧し、お前さんの傷を応急処置で塞いだのじゃ」
「『救済の先駆者』のバックルには、人工呼吸用の酸素や小型AED以外にも、ガーゼや包帯があるの。それで一時的にあなたの体力消耗を抑えられたわ」

 応急処置するためだけに、着鎧する意味とかあんの? ――と聞く前に、救芽井が先
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