第42話 目が覚めたら、親御さんにご挨拶
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ぁゴロマルさ――あぅっ!?」
「自分が助かった」。その安堵感によるものだろう。急に腰がガクッと下がり、扉が開きっぱなしのメディックシステムの上にへたりこんでしまった。
「……はは、なんだよも〜。ヒーローらしく、カッコよく臨終したのかと思ってたわ」
「格好のよい臨終なんて、ありはせん。死ぬときは、みんな同じじゃよ」
ゴロマルさんの言うことも尤もだな……。つーか、メディックシステムってホントに便利だな。医者いらずじゃないか。
「――お前さんを生かすために、辺り一帯が半日間停電になったのはナイショじゃぞ」
……って、相変わらず電気使い過ぎだろッ!? 道理でこんな便利な機械を普及しないわけだ……。
一般家庭の皆様、割とマジでごめんなさい!
「――それより、古我知さんはどうなったんだ? それに、救芽井と矢村は?」
「剣一なら、すでに捕縛済みじゃよ。樋稟と賀織ちゃんは、暖かい部屋で休ませておる。二人とも真冬の採石場まで連れ去られて、体力を消耗しておったからのぅ」
ゴロマルさんは俺に背を向けたまま、何かしらのコンピュータをいじり回している。近くに「救済の先駆者」の「腕輪型着鎧装置」があるところを見ると、どうやら修理中みたいだな。
……まぁ、あんな無茶苦茶な戦い方してた上に、自動で着鎧甲冑が外れる機能が止まってたんだ。きちんと修理しなきゃ危ないだろう。しかし、「呪詛の伝導者」の「腕輪型着鎧装置」まで一緒に修理されてるのはどういうことなんだ……?
なんにせよ、救芽井と矢村も無事だったのか……よかったよかった。古我知さんはもう捕まってる、とのことだが――警察に引き渡すのはマズいんじゃないのか?
「それから、剣一はこちらで身柄を拘束し、アメリカにある救芽井研究所まで連行してから、処分を検討することになったわい。日本の警察に任せようものなら、着鎧甲冑そのものがオジャンになりかねんからのぅ。それと、『解放の先導者』のプラント等も接収の手筈を整えておる。クリスマスが終わる頃には、全て綺麗サッパリ、じゃよ」
……あ、そういうことね。ていうか、救芽井ん家ってアメリカにあったのか。
確かに救芽井は海外の大学にいたって言うし、もうその頃には向こうに住んでたんだろうな。それで古我知さんを追い掛けて、日本まで来てた、と。つまるところ、帰国子女ってヤツだったわけか。
「ほう、目が覚めたのか。一煉寺龍太君」
「うぃ!?」
――その時、どこからともなく聞き慣れない声が聞こえてきて、思わず仰天してしまう。だ、だだ、誰だ!? なんで俺の名前を……!
慌てて声の出所へ目を向けると――そこには、あの時、古我知さんのカプセルで眠らされていた夫婦……そう、救芽井の両親が立っていたのだ。
「あ……!」
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