第41話 俺とあんたの最終決戦
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
呪詛の伝導者」に勝てない!
「なぜだ!? 撃ってるのに……撃ってるのに、なぜ止まらないんだァァァァッ!」
俺も死に物狂いでやってるが、あっちもあっちで相当な半狂乱になってやがるな。「バックルバレット」がダメと判断し、今度はあの炎を噴き出してきた!
「あぐ、あああ……!」
ここまで来ると、悲鳴を上げる元気すらなくなってくる。俺はかすれた呻き声を漏らし、炎に焼かれ――それでも、すり足で前進を続けた。
「すり足」と言っても、少林寺拳法として行うようなものじゃない。体力を消耗する余り、歩くための膝が上がらなくなってるだけだ。
折り紙付きの威力を誇る機銃と、身を焦がすような火炎放射を立て続けに食らい、俺も「救済の先駆者」も半死状態だった。ふと俯いてみると、スーツのあちこちから電気が飛び散り、身体中が黒ずんでいるのがわかる。
よくこんな状態で機能するものだと、感心せずにはいられない。余りにも無茶苦茶な運用を重ねているせいで、自動的に着鎧が解けるシステムも停止してしまっているようだし。
――そして俺は、文字通りズタズタの格好で「呪詛の伝導者」の目前までたどり着いた。
戦えるだけの体力が残ってる……とは、もちろんながら言い難い。正直、生きてるってだけで、お腹いっぱいなほど奇跡だろう。
「なんで……どうして、君は……戦うんだ……!? わからない、わからないんだよッ……!」
やはり向こうも、精神的に追い詰められているらしい。目の前に立つ、自分の理解を超えたバカに向かって、低く唸るように訴え掛けてくる。
そんな彼に対し、俺は喉の奥から搾り出すように発した声で、精一杯返答する。
「何度も、言わせん、なよ。あんたを、ぶっ飛ばさねぇと、受験……集中できな、いん、だよッ……!」
――そんなもん、結局は建前だけどな。
全ては……救芽井に変態呼ばわりをやめてもらわなきゃ胸糞が悪くなる、ってだけの話だ。俺にとっちゃ、嫌われたまんまで終わるのが一番バッドエンドなんだよ。
どうせ知り合いがいるなら、全員と仲良しでいる方がいいに決まってる。俺はあの日から、いじめられることはなくなったけど……いじめていた奴と仲直りしたわけじゃない。
そいつらは俺や矢村を恨んだまま、俺達の前から姿を消した。――そんなの、後味が悪いじゃないか!
そういう世の中の知り合い全てが、もしもいつかは離れ離れになる人達だとしたらなら――最後の瞬間だけでも、仲良しでいたいモンだろう。
……少なくとも、俺はそうさ。だからこそ、救芽井に嫌われたままで、終わりたくはないんだ!
俺は最後の力を振り絞り、ヨロヨロの身体のまま、再び待機構えを取る。この近さなら、バックルバレットも火炎放射も間に合わない。接近戦しかないは
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ