第41話 俺とあんたの最終決戦
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、身体が思うように動かない。
……俺、死ぬ、のかな?
「りゅ、龍太ァァァッ!」
「やめてぇ! お願い、もうやめて! やめてったらぁ!」
よっぽど、見ていられないような醜態だったらしい。俺がやられているザマを見て、救芽井や矢村が悲鳴を上げる。
……あれ、なんか違うなぁ。
俺が望んだ展開は、こんなもんじゃなかったはずだ。
別に俺は、ヒーローになりたくて、戦ってたわけじゃない。彼女達に心配されたくて、戦ってたわけでもない。
ただ、変態呼ばわりをやめて欲しくて――仲直りがしたくて。そのための手段として、俺は戦うことになっていた。
――そうだ。俺、名誉挽回がまだじゃないか。まだ、彼女に認めてもらってないじゃないか。
どうせなら、「ありがとう変態君! ……ううん、一煉寺君!」って、お礼を言われて終わりたい。あんな風に、泣かれて終わりなんて……あんまりじゃないか。
俺にとっても。きっと、彼女にとっても。
……だから、俺は。
「まだ、死にたく、ねぇッ……!」
もうガクガクだけど――まだ、足は動く。少し時間を置いたおかげなのか、身体もちょっとずつ、言うことを聞きはじめた。
「救済の先駆者」のスーツが、着鎧してる俺に向かって「危険」の警告をしているが……それに構っていられるような、空気じゃない。どんだけ無茶振りであっても、このスーツには付き合ってもらわないとな。
「はぁ、うっ、ぐ……!」
苦しみを孕んだ息を漏らし、俺は見苦しいくらいに喘ぎながら――立ち上がる。
「なっ……! 馬鹿な! とっくに着鎧甲冑からの警告信号は出ているはずだぞ! 何を考えてるんだ、君はッ!」
俺がまだ戦おうとしていることに、古我知さんはとうとう驚くどころか、露骨にビビって後ずさりを始めてしまっていた。普通ならありえない行動なんだから、その反応は至って正常なんだろう。
「何も考えちゃ、いないさ。あるとすれば――あんたを、ぶっ倒す。ただそれだけだ!」
脇腹を撃たれるまでに走り込んでいた場所は、「呪詛の伝導者」からそう離れた距離ではなかった。ここから前進を再開すれば、古我知さんまですぐに辿り着ける!
「くそっ……! 『バックルバレット』!」
ピストルだけじゃ、倒しきれない。理屈を抜きにそう判断したのか、古我知さんはすぐさま得物を投げ捨てると、ベルトの中心部に両手を当てる。
それと同時に機銃の流星群が飛び出して行き、俺の身体を容赦なく打ちのめす。
「が、あああああッ! ぐ、お、ああぁッ!」
痛みに叫び、呻き……それでも、俺は前に進み続ける。
どれだけゆっくりでも、構わない。止まりさえしなければ、いつか必ずたどり着く。
そう信じなきゃ、俺は「
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