第41話 俺とあんたの最終決戦
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いうことくらいわかる」
「……思いの外、アッサリと見破られちまったらしいな。その腰についたヘンテコ銃も、あんたが作った物なのか?」
「もちろん。ベルトに仕込んでる形だから、銃身がものすごく短くて精度が最悪なんだけど――威力だけは折り紙付きさ」
「火を吐いたり、ションベンみたいに銃弾ちびらしたり……忙しい野郎だな全く!」
「呪詛の伝導者」のピストルが火を噴く瞬間、俺は隠れていた岩山から転がり出ると、彼目掛けて一直線に猛ダッシュする。
「く、口の減らない坊やだが……とうとうヤキが回ったようだねッ!」
古我知さんは一瞬だけ躊躇する様子を見せたが、俺が一発ブチ込めるところまで行く前に、発砲を再開してしまう。俺はその展開を承知の上で、突進を続けた。
黒い銃身から幾度となく打ち出される弾丸が、俺の身体に衝突して激しい火花を発生させる。その不吉な光に包まれながら、緑のヒーロースーツに守られている俺は、前進を続けていく。
せめてもの防御ということで、両腕で顔を守りながら進撃を続けるが――やはり、痛いものは痛い。着鎧甲冑に守られているとは言え、何度も銃で撃たれて痛くない方が変な話ではあるのだが。
ちなみにこれは兄貴の弁だが、人間の急所は頭や顔の部分が一番効果的であるという。それ自体は割と当たり前の話なのだが、言い換えるならそれは、頭の急所だけは絶対に守れということにもなる。
つまり、銃弾そのものの脅威は着鎧甲冑の防御力に任せ、俺自身は急所への命中を避ける努力をしなければならない、ということだ。着鎧甲冑を……それを作った救芽井達を信じなきゃ、古我知さんには永久に勝てない!
――だが、戦闘用とレスキュー用との差は、やはり大きい。
「……うぐあッ!」
古我知へ迫る途中、脇腹に槍で貫かれるような激痛がほとばしる。廃工場の時の銃創に、ダイレクトに被弾してしまったらしい。
「今だ……これで、終わりだッ!」
思わず膝をついてしまい、その一瞬の隙を狙った古我知さんの銃弾が、間髪入れずに襲い掛かってきた!
「あ、がああッ!」
……痛みのあまり、頭のガードを解いてしまったのが運の尽きだった。俺は「撃たれる衝撃」に備える暇すら与えられないまま、銃弾の雨にさらされてしまった。
「救済の先駆者」のボディから火花が幾度となく飛び散り、中にいる俺の身体に焼き尽くされるような熱気が篭る。
「あ、アヅッ……ああああッ!」
頭のてっぺんから足のつま先までが、文字通り焼かれているかのように熱い。これじゃ、火あぶりの刑みたいだ。
俺はその熱気と痛みに悶えながら、冷え切った地面の上でのたうちまわる。
意識までが燃やされようとしているのか、視界がユラユラとぼやけ始めていた。手先がブルブルと震え
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ