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フルメタル・アクションヒーローズ
第38話 死亡フラグを建てた覚えはない
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けばこんなことにはッ!

 焦る気持ちが反映されるかのように、「呪詛の伝導者」との距離も縮まってきた。
 だが、そんな進捗状況に喜ぶ暇もなく、彼が救芽井達の眼前にたどり着いてしまった!

「――やめろぉぉぉーッ!」

 反射的に身体の芯から、言葉が噴き出して来る。強盗の一件で、救芽井が唇を奪われそうになった時に近い感覚だ。
 怯ませる結果にでもなったのか――その叫びが「呪詛の伝導者」の動きを一瞬だけ止めた。その僅かな時間で発生した硬直に乗じて、俺は完全に彼に追い付く。そしてピッタリと彼の身体にしがみつき、拘束を試みた。

 ――それが、罠だとも知らずに。

「……ッ!?」
「言ったはずだよ。僕は――負けられないんだってね!」

 脇腹に押し当てられた、冷たく硬い感触。それがピストルの銃口だと気づいた頃には――乾いた銃声がパン、と響いていた。

 ここまで密着した状態から撃たれたら、着鎧甲冑の防御効果なんてヘノカッパなんだろう。現に、弾丸に貫かれた部分はスーツが裂け、鮮血が噴き出している。

 ……あぁちくしょう。こりゃあ、やられたな。初めから、俺に大急ぎで追い掛けさせることが目的だったらしい。
 そうなったら、少林寺拳法を使う余裕なんてなくなる。そうして自分を救芽井達から引き離そうと、無我夢中になってるところへ、ゼロ距離射撃をパン――ってわけか。

 撃たれたせいで、頭に上ってた血が抜けたのか……命のやり取りしてるってのに、自分でもビックリするくらい冷静になってる。――俺、まんまと嵌められちまったらしい。

 視界がぐらり、と歪んだかと思えば……天井が見えてきた。あぁ、倒れたんだな、俺。
 震える手で脇腹を触り、それを眼前に出してみると――真っ赤な手形が、出来上がっている。その手が生身の手だったことから、着鎧が解けちまってるのがわかった。
 ……どうやら、俺の負け、みたいだなぁ。

 ――だが、勝利者であるはずの古我知さんは、なんだか浮かない顔をしている。それどころか、「や、やってもたー!」って感じの顔だ。

 ……あぁ、そっか。あんたも、ホントはこんなこと、したくなかったんだっけか。全く、お互い苦労するよなぁ、へへへ……。

「……あ、あぁあ……!」
「い、いやあああぁぁああーッ!」

 ――矢村は「どうしたらいいかわかんない」って顔して呻いてるし、救芽井はもうどうしようもないくらい、すんごい悲鳴上げてるし……なんでこんなことになっちまったかなぁ。
 俺はただ、変態呼ばわりを止めて欲しかったって、それだけだったはずなんだけど……なぁ。

 ……あら、なんか眠くなってきた。
 それに、身体全体の感覚もなんだか冷たい。これ、冬のせいだけじゃないよな……?
 おかしい、な……まだ、死
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