第38話 死亡フラグを建てた覚えはない
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反撃しいやっ!」
「も、もぅ矢村さんったら! どうせバレるからって騒ぎすぎっ!」
ぎゃあぎゃあ騒ぎながら出てきた二人の姿に、俺も古我知さんも目を丸くした。
「なっ、なんでお前らがここに……!?」
「ぐ……そ、そういうことだったのかッ!」
「呪詛の伝導者」の黒い拳が、悔しげに震えている。え? なに? 状況が見えてないのって俺だけなの?
「話は矢村さんから聞いたわ。確かにあなたの拳法なら、『もしかして』ってこともあるかも知れない。だけど、『解放の先導者』には勝てないっていうウィークポイントは変わらないでしょう? だから私が案内して、矢村さんに『解放の先導者』を停止させて貰ったの!」
すると、ただ一人理解が追いついていない俺を哀れんでか、救芽井が事情を説明してくれた。なるほど、確かに「解放の先導者」に敵わないのは事実だ。
「『プラント』は『解放の先導者』を生産する巣であると同時に、自律機能を安定させる補助装置でもあるの。そのシステムをこっちの操作で止めたから、『解放の先導者』達は『同士討ちを避けることを優先する』ような誤作動を起こして、自ら機能を停止させてしまったのよ」
「救芽井がそのやり方を教えてくれたんや。アタシ、どうしても龍太の役に立ちたかったけん……」
「……よくわからんが、要するに『解放の先導者』達の頭がおかしくなったってワケか? そんなことよくわかったなぁ」
「あなたと戦わせていた『解放の先導者』の鹵獲体があったでしょう? アレを解析していて、『解放の先導者』単体の人工知能だけで、あれ程の自律機能を維持するのは不可能だっていうことがわかったの。だとすると、考えられるのは補助装置の存在。そんなシステムを積んだ機械があるとするなら……」
「……逃亡中の古我知さんに、そんな大荷物を抱えていられる余裕はない。あるとするなら、それは『解放の先導者』を生産する『プラント』に機能として搭載するしかない――ってか?」
思いつきで口にした俺の言葉に、救芽井は強く頷く。マジかよ、ほとんどあてずっぽうだったのに……。
とにかく、これで後は問答無用で古我知さんをブッ潰せるわけだな。天敵だった「解放の先導者」はもう止まったことだし、これからガンガン反撃して――
――あ、俺縛られたままだっけ。
「くっ……まだだ! まだ『技術の解放を望む者達』には僕がいる! この『呪詛の伝導者』こと、古我知剣一がァァァッ!」
黒い帯で緊縛プレイ中の俺に、古我知さんは容赦ゼロで切り掛かって来る! おいおい、ちょっとは子供に優しく――!
「うひょおっ!?」
俺は地面の上を転がることで間一髪身をかわし、銀色に閃く剣をやり過ごす。かすった感じはしたが、どこにも痛みはない。
あ、危ねぇ……! 足が縛
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