第36話 暗いのも怖いのも、大嫌い
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達の方を見る時間さえ惜しみ、背中越しにちょっとカッコつけた台詞だけを残すと、そそくさと薄暗い奥へと前進していく。
……ひぃ〜怖い怖い! 俺、こういうホラー染みた暗い部屋大ッ嫌い! 早く終わらせて帰りてぇぇ!
はっ! いやいや、今はビビってる暇なんてないぞ一煉寺龍太よ! 急いで古我知さんを探さないと――ん?
「なんか聞こえる……機械の音?」
暗くてよくわからないが、ゴウンゴウンという何かの機械らしき作動音が響いている。ここって廃工場だよな?
もしかして古我知さんが居座っていたことに関係があるのか……? 俺はひとまず古我知さん追撃を頭から離し、音の出所を追ってみることにした。どうせこんなに暗かったらそうそう見つかるわけないしね。
作動音の出ている場所は、かなり近い場所にあるらしい。元々音だけはよく聞こえていた上に、それを辿っていくとみるみる音量がデカくなっているのがわかる。
やがて、音の正体がうっすらと見えてきて――
「イテッ! ――って、何じゃこりゃあァァァ!?」
――俺が何かに躓いた瞬間、それはあらわになった。
コンビニに置いてあるような印刷機……のようなフォルムを持つ、赤黒く塗られた奇妙な機械。しかも、大きさはソレの数倍はある。
加えて、印刷機で言うところの「排紙部」に当たる部分は大きな穴があり、そこから短めのベルトコンベアーが伸びていた。
何より問題なのは、そこから出てきているのが――
「『解放の先導者』……!?」
動き出してこそいないが、それはそれで不気味で仕方がない。よくわからないが、これが救芽井が言っていた「『解放の先導者』の『プラント』」ってヤツなんだろう。
これさえなんとかすれば、「解放の先導者」を止められるかも知れない! ……でも、どうやって?
俺が考えあぐねていると――またコツン、と俺の足に何かが当たっている感触があった。
……そういえば、このプラントを見つけた時にも何かに躓いたよな。一体何に引っ掛かったんだ?
ふと気になって、視線を落とした俺は――固まってしまった。
メディックカプセルに酷似した、黄緑色の二つの棺桶。そこには、眠りについている二人の男女の姿があったからだ。
「だ、誰だこの人達……!?」
町で見掛けるような人間には見えない。なんというか、どちらも気品の高そうな人に見える。
男の方は、四十代くらいの渋くてカッコイイおじ様……みたいな感じだ。茶色の髪や髭、色白気味な肌から見るに……外国人? ガタイもよく、百八十センチくらいの身長はありそうだ。
かたや女の人は――二十代だろうか? フワフワとしたウェーブの金髪で、肌は男の方よりさらに白い。均整の取れたプロポーションに、よく見ないと色が識別できな
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