第27話 まさかのリストラ宣言
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よ……。
「どうやら、君のことで言い争いになってることは間違いないようだね。君はどうするんだい? これからも僕に抗うつもり?」
一緒に隠れながら、古我知さんが囁くように問い掛けて来る。残念だが、俺はノンケだ。
「たりめーだろ。あんたみたいなおっかない奴、放っておけるか」
ジロリと睨みつけ、俺はススッと彼から離れるように身を引いた。
「そうか……じゃあ、例の廃工場でじっくり待つとしようか。樋稟ちゃんにもよろしくね」
「へっ、そうかよ――って、なにッ!?」
そこで俺は思わず、張り付いていた壁からはみ出そうになってしまう。
――コイツ、なんで俺達が廃工場に行こうとしてるのを知ってるんだ!?
「……まさか、兄貴にわざと吹き込んだってのか?」
「その通り。こないだの、公園でのド派手な戦闘の痕跡が残ったせいで、ここ最近は警察の動きが面倒なことになっててね。早急に決着を付けなきゃってことになったんだ。――お互いのためにね」
そういうことかよ……! マズいな。警察に悟られたらヤバいのは同じなんだから、早く救芽井に知らせないと!
「……ごめんなさい」
「悪く思っても……ええよ。恨んでくれてもええ。これも全部、龍太のためなんやから」
――え?
心の声でそう呟くより先に、救芽井はひどく悲しげな表情で、席を立っていた。
彼女はそのまま矢村に背を向け、その場を去ろうとする。
「ちよ、待った救芽井!」
頭で考えるより先に、俺は彼女に声を掛けていた。このまま行かせちゃいけない――と、直感が訴えていたから。
「変態――君? もしかして、さっきの話、聞いてた?」
「あ、いや、そのっ……!」
「……ごめんね。今まで迷惑掛けて。私、自分のことで必死過ぎて、どれだけあなたにとって疫病神だったか、気づけなかった……」
「……!?」
なんだこの娘。ホントに、あの救芽井樋稟なのか? 強盗の時とは比べものにならないくらい、ひどくしょげてる……。
「矢村さんの、おかげかな? 矢村さんが言ってくれなかったら、きっと私、守るべき人を不幸にしてたんだと思う。ホント、馬鹿だよね? 私。何の関係もない人を、自分の都合で引きずり込んで……」
「あの、ちょっ……そんなこと別に俺は――!」
「いいの! ――もう、訓練なんてしなくていいから。受験勉強、頑張ってね?」
「お、おい!」
「警察が僕らに感づくのは時間の問題だ。今夜、全てを終わらせる――というのはどうだい? 僕は『解放の先導者』のプラントで、君を待とう」
俺がなんでもいいから声を掛けようとしたところで、古我知さんがズイッとしゃしゃり出て来た。ちょっ……あんた邪魔!
「――廃工場、ですね」
「ご名答。しかし詳し
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