第27話 まさかのリストラ宣言
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
なぁ。
かと言って、このままだと受験が苦しいのも間違いないわけで。うーん、難しい……。
「……アタシは龍太が、こんなことで傷付いてええもんやとは思えん。着鎧甲冑やら何やら知らんけど、人を勝手に面倒事に巻き込んどいて、当然みたいな顔せんでくれん?」
「わ、私だって好きで巻き込んでるわけじゃ……!」
「好きでこうなっとるわけやないんやったら、何してもええん?」
「うっ……」
――む、なんだか俺が離れてる間にギスギスした空気になっちまってるみたいだ。
なんか救芽井が困ってる顔になってるし……そろそろ俺がでしゃばらないと、収拾がつかなくなりそうだな。
「龍太とあんたに何があったかなんて知らんけどな。着鎧甲冑なんて、この町には何の関係もないんや! 早う帰ってくれん!?」
――ッ!
おいおい、それはちょっと言い過ぎなんじゃないか!?
つーか、さっきまでの間に何があったんだよ!? 喫茶店にいた時は、なんだかんだで仲良くやってたはずなのに!
ああもう、こうなったら俺がやめさせるしか……!
「この際やから言うとくけどな、アタシは龍太が好きや! 大好きなんや!」
――はひ?
……な、なんだってー!?
ちょ、お待ち! いくら俺が哀れだからって、それは身体を張りすぎてやしないかい!?
「な、な、な、なに言って……!」
「龍太は、転校してばっかで右も左もわからんかったアタシを励ましてくれた。それに、なにかあっても『弱いくせして』守ろうとするんや。アイツは、ちょっと情が移ったら何も考えずに無茶苦茶するような――そんな、頭の悪い奴なんやで!」
ぐはッ! ちょっと褒められてんのかと思えば「弱いくせして」って……! そ、そんなとこ強調してんじゃねー!
「アタシは、そんなアイツを守りたい……! 危ない目なんて、遇わせたくないんや! あんたらは、そんなアイツを巻き込んで許されるほど偉いんか!?」
……矢村。あいつ、あんなこと言ってまで、俺を……?
いやまぁ、哀れんでのことじゃないとしても、「友達として」の好意だってことくらいわかってますよ? 男の勘違いは見苦しいからねー……あははー……。
「――わ、私だって……出来ることなら! こんな、こんなお父様達の想いを踏みにじるような戦いなんてっ……!」
「だったら、あんたらだけでやったらええやん。龍太が巻き込まれてええ理由なんかない! あんたは龍太のなんなんや!? 御主人様にでもなったんか!?」
「そ、それはっ……!」
なんかもう、完全に矢村がいじめっ子と化してるな……これじゃいくらなんでも、救芽井がかわいそうだ。それに、矢村もちょっと言い過ぎだし。
こうなっちまった以上は手伝うしかないんだから、しょうがないってのに
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ