第19話 二股デート、最低の響きだね!
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った! あんた弟をなんだと思ってやがる!?」
「え? うーん……凌辱ゲーの悪役キャラ?」
「予想の斜め下を行く評価だなオイッ!」
この兄貴はマジで一発殴った方が、俺の将来のタメになるのかも知れない。っつーか、逆に殴らないと俺の人生が社会的な終末を迎えさせられる気がする。
「大丈夫だって。お前なら二人とも攻略して篭絡できるだろ」
「扱いが既に人間じゃねーんだけど!? エロゲーキャラ扱いなんですけど!」
「お前に真っ当な人間の血なんて流れてたのか?」
「テメーと同じ血だよッ!」
……い、いかん。これ以上この場に留まってたら、コイツのセクハラトークから抜け出せなくなる! 冷ややかな目でやり取りを傍観してる二人に、凌辱系悪役キャラのレッテルを貼られてしまうぅぅぅ!
「あーもー! こうなったらどっか出掛けるぞ! 気分転換だ気分転換ッ!」
俺は家を出ることで、この流れを断ち切ることにする。――兄貴が言った通りの二股デートの図になってしまうかもだが、この際つべこべ言ってられない。
……それに、俺を気遣ってか、顔にこそ出さないけど、今回の事件絡みで矢村も相当不安なはずだ。
俺だって、ぶっちゃけると死ぬほど今の状況が怖くて、勉強どころの騒ぎじゃないし。
俺にできることなんてたかが知れてるけど……それでも、この胸糞悪い非日常の連続を、少しでも和らげられるなら。
「さっ……さんせーい! アタシもちょっと疲れてきたし、外の空気吸わないかんなぁ!」
「ちょ、ちょっと待ちなさい! そんなことでいいの!? 勉強する時間を取ったからにはみっちりやらないと――」
両者で全く違う反応を見せる二人。こうして見ると、救芽井がいかに真面目な娘か浮き彫りになるな……。
「悪いな、ワガママばっかりでさ。こんな調子だけど、それでも休み時間は欲しくなっちゃう性分なんだよ」
救芽井にはわざわざ付き合ってもらってるんだから、本来はこういう風に振り回すべきではないことは百も承知だったのだが、さすがに家でジッとしていたら兄貴に何を言い出されるかわかったもんじゃない。
「――全くもう、しょうがないんだから」
そんな呟きと共に、彼女は着ていた緑のコートから何か本のようなものを取り出したかと思うと、それをサッと居間のテーブルに置いて家の外へと飛び出してしまった。
「お、おい!?」
「出掛けるんでしょ? 早く支度しないと、承知しないわよ!」
腰に手を当て、彼女は叱るような口調で――お出かけを承諾してくれた。おおぉ、お堅い割には結構話がわかる娘だったんだな……いやはや。
「救芽井も行くん? ――別にええけど、龍太は渡さんで?」
「は、はあ!? 何で私が変態君と手とか繋いだり腕とか絡めたり寒い冬
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