第18話 俺がボコられるのは兄貴の仕業
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時に好きな女の子に振られた時、慰めにとその娘の萌えイラストを描いてやっても、あんまり喜んでもらえなかったこととかあったし、その辺が心配だったんだよぉー』
「ブフッ!」
噴いた。今度は救芽井が。
そして、全俺が泣いた。こんなもん、プライバシーの侵害に他ならねェェェッ!
「ちょっ……やめろよこんな時にそんな話ッ!」
『んあ? 別にいーじゃん。お前一人しかいないんならさ』
「ぐ……!」
た、確かにそうだ。今の俺は一人で勉強しているという「設定」がある。今は堪えるしか……!
『しかしさっきのオナラはでけぇな。お前朝メシに何個イモ食ったんだよ? 今なら台所で火ぃ付けた途端に引火して、一煉寺家が消し炭になりそうだな』
「なるわけねーだろ! 俺の調理実習じゃねーんだから!」
「ぷ、ぷははははッ! も、もう限界ッ……!」
――って、とうとう矢村が大笑いィ!?
どうやら救芽井が噴き出したはずみで、口塞ぎから解放された彼女のリミッターが外れてしまったらしい。当初の制約をガン無視して、大声で笑い出してしまった。
俺は去年、調理実習でボヤ騒ぎを起こしてしまって矢村からバカ笑いされたことがあるんだが……多分、それを思い出してのことだろう。
ま、まずいぞ……さすがに今の笑い声はごまかしようがッ!
『――お、おい、龍太!?』
「あ、い、いや、これはだな……」
『お前……いつからケツで喋れるようになったんだ!?』
――はい?
「あ、兄貴? ご乱心めされたか?」
『だってそうだろう! 家にはお前一人しかおらず、プププとオナラが続く中で笑い声が出て来た! これをケツが喋り出したと考えずに何を考えろって言うんだッ!』
――他に誰かいるって考えろやァッ! なんだケツが喋り出すって! どんだけ弟の言うこと信じ切ってんだよ!
「……いい加減にしなさいよね変態君。女の子の美声をオナラだのケツの声だの……!」
って、とうとう救芽井までもが普通に喋り出したァー!? あんたが「黙ってろ」なんて言うからこんなことになったんだろーがぃッ!?
『おい、なんかケツ声がキレてるぞ! お前一体どんな災いをもたらしたんだ!』
ケツ声ってなんだケツ声って! つーか災いをもたらしてんのは天地神明に誓ってテメーだろうがッ!
「……いい加減にしなさいって……言ってるでしょおォォォがァァァァァッ!」
――つ、ついに救芽井の堪忍袋がプッチンプリンッ! プロレスの反則技の如く、椅子を持ち上げて襲い掛かってきたッ!
「さ、三十六計逃げるにしかずッ!」
もちろん、黙って殴られる俺ではない。無双状態の救芽井から逃れるように居間を脱出し、自室へとエスケープ!
バキャアと椅子が砕ける音を背に、
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