第18話 俺がボコられるのは兄貴の仕業
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」
『んぉ? 誰かいるのか?』
ま、まずい! 矢村が兄貴のテンションに噴き出してる! 救芽井が慌てて口を塞いでるけど、もう向こうに漏れちまったみたいだ!
そんな中、救芽井は「なんとかごまかして!」といいたげな視線を送って来る。ごまかせったって……ああもぅ、この際なんでもいいっ!
「い、いやぁー、ついオナラがプッとね」
……我ながら最低のごまかし方キター! とっさのこととは言え、女の子の声をオナラ呼ばわりって!
なんか矢村がシュンとしてるし、救芽井はジト目で睨んで来るし……や、やってもたー!
『おいおい、イモの食い過ぎかぁ? 頼むから俺が帰る前に、家ん中をメタンガス収容所にしないでくれよ』
「頑張ってもできるわけねーだろ! ……そーいえば、昨日古我知さんって人が来てたよなぁ〜」
これ以上余計なアドリブを強いられる前に、話を進めなくては! 俺は古我知さんの話をさせるべく、彼の話題を振ることに。
『あぁ、実はあの人も就活してる最中らしくってなぁ。昨日はいろいろとコツを教えてもらってたんだ! いやぁ、おかげで今日は快勝だったぜ!』
「そ、そーなんだ……」
『なんでもあの人、最近はこの辺に短期滞在してるらしいぜ。確か、商店街のはずれにある廃工場の辺りに住んでるんだってよ』
「……廃工場? あんなヘンピなところにか?」
兄貴の言う通り、商店街のはずれには錆び付いて使われなくなった工場がある。ちなみに実際に行ったことはないんだけど、そこから先には採石場があるらしい。
『あぁ。なんでも、人通りが少なくて静かな場所が好きなんだってよ。変わった人だったな〜』
「た、確かに変わってるなー、はははー……」
――まさか、いきなりこんな話が聞けるとはな。廃工場に住んでる悪の親玉……か。月並みだなぁ。
兄貴と話を合わせつつ、チラリと救芽井の様子を伺う。有力な情報を得たと言わんばかりに、食い入るような表情でこっちをガン見していた。こ、こえぇ……。
『ところで、今は一人で勉強中だったか? 悪いなぁ、邪魔しちまってさ』
「い、いや、別にいいさ。気分転換にもなったし」
『そうか? ――へへ、そりゃあよかった。なにせ親父もオカンも遠出しちまってるしなぁ。俺が保護者ヅラできるよう、しっかりしなきゃならんからな』
「……心配いらねーよ。兄貴はちゃんと、俺の面倒見れてるから」
全く、この兄貴にはいろいろと悩まされる。こういう無駄に弟思いなところが、コイツのリア充たる所以なんだろーなぁ。俺には真似できそうにないわぁ……。
――む、なんか矢村が救芽井に口塞がれたままウルウルしてる。変なやり取りをしたつもりはなかったんだけどな……。
『そうかー! いやぁ、よかったよかった! お前が小学校の
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