第二章
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「御前等の心配の種は消えるさ」
「そうなのかよ」
「間違ってもそいつをムッコロスことにはならないさ」
「だといいけれどな」
「御前が馬鹿やらない限りはな」
それをしなければというのだ。
「だからいきなり立ち上がって喚くなよ。五月蝿いからな」
「静かにしろっていうんだな」
「今度叫んだら本当に通報するからな」
「ああ、わかったよ」
僕もツレの言葉に頷いた。そしてだった。
大人しくなることにした。それでこの日は彼女と下校のデートをすることにした、これは今の僕と彼女の日課になっている。
その日課を楽しんでにこにことしていると彼女が僕に横から言ってきた。
「あのね」
「どうしたのかな」
「ええ。少し不安になるけれど」
顔所はその感情を顔に出して僕に言ってくる。
「今私達二人よね」
「うん、見ての通りね」
「二人だといいけれど」
こう言ったところで俯いた彼女だった。
「後ろとかにこっそりと」
「あいつ?」
「あいつがいるかって思うと」
その元カレのことだった。彼女もあいつのことを気にして怖がっていた。
「どうしてもね」
「いや、いないよ」
僕は念の為に後ろを振り向いてみた、町の灯りに照らされた夜道には誰もいない。
それで彼女の方に向き直ってあらためて言った。
「誰もね」
「だといいけれど」
「そんなに気になるの?まだ」
「あいつ。しつこいから」
ただ暴力を振るうだけじゃない、執念深い奴でもあった。
しかも町のヤクザともつながっている、本当にどうしようもない屑だった。
その屑と一緒にいたことをまだ忘れられなくて彼女は僕に言う。
「今も怖いの」
「気にすることはないよ。そもそもあいつと一緒にいたのも」
「無理矢理だったから」
強引に彼女にされた、まるで強奪するみたいに。
「高校に入ってすぐに」
「だったね、たまたま一緒のクラスで」
「思い出したくもないことだから」
色々あったみたいだ、けれど僕は聞けなかった。
「それでもあなたがいてくれてね」
「二年になってクラスが変わってよかったね」
「それにあいつ退学になったから」
町で中学生からカツアゲして袋叩きにしているのがばれてそうなった、自業自得そのものだと心から思う。
「その時にあなたがいてくれたから」
「よかったんだね」
「有り難う。けれどまだ」
彼女も後ろを振り向く。そこには誰もいなくても。
夜道の暗さの中に潜んでいると思ってこう言うばかりだった。
「後ろから来るかって思うと」
「怖い?けれど僕もこれがあるから」
警棒とスタンガンを見せた。用心の為に持つことを許され
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