ペルソナ3
1924話
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「なぁ、おい。あの噂聞いたか?」
俺とゆかりが教室に入ってきた瞬間、順平がそう声を掛けてくる。
朝……それも土曜の朝なのに、順平は随分と元気がいいな。
「何かあったのか? 俺は特にこれといって知らないけど」
ゆかりは? と視線を向けると、その視線を受けたゆかりも首を横に振る。
「残念だけど、私も何も知らないわ。てか、知ってたら今頃アクセルに教えてるでしょ」
「……まぁ、そうだろうな。で? 噂ってのは何があったんだ」
「いや、それがさ。昨日隣のクラスの女子が1人行方不明になって、今日の朝方……いや、真夜中っていった方がいいか? その頃、月光館学園のグラウンドで倒れているのが見つかったらしい。それも、何も服を着ていない素っ裸の状態で」
順平の話を聞いていた、近くの女がキャー、と黄色い悲鳴を上げる。
にしても、素っ裸で見つかる? それって、誰かに性的暴行……いわゆるレイプされたんじゃないのか?
ただ、もし本当にそうなら、学校の方でもう少し騒ぎになっていてもおかしくない気がするんだが。
学校に来てみた限りでは、とうていそのような事になっているようには思えない。
もし本当に強姦事件とか起きたのであれば、警察とかが来てもおかしくはないのだから。
「となると、事件性はない?」
「いや、裸で倒れてたんだぜ? 事件性がない訳ないと思うけど」
俺の呟きに、順平がそう返してくる。
……まぁ、考えてみれば、そうだよな。
裸で倒れていた女。
これで事件性がないとすれば、それこそ女が自分で服を脱いでそこで倒れていた……寝ていた? 事になる。
それはそれで、やっぱり怪しいと思うのは間違いないが。
「露出狂とか」
「あー……どうなんだろ。そっちの可能性は考えてなかったな。けど、やっぱり何かあったと思う方があるんじゃないか?」
「それこそ、本人に事情を聞けば何でそんな風になったのか、理由は分かると思うけど?」
俺と順平の会話に、ゆかりが割り込む。
ゆかりにしてみれば、朝から露出狂とかそいう話をするのはごめんだと、そう思ったのだろう。
いやまぁ、その気持ちも分からないではないけどな。
「あー、それが意識はあるみたい何だけど、何か声を掛けても特に反応とかしないらしくてな。ほら、ちょっと前から噂で無気力症とかあったじゃん。モロにあんな感じらしい」
「無気力症か」
少し前……それこそ、俺が転入してきたのと前後して、少しずつ広まってきた話だ。
病気や怪我とか、そういうのではなく……何の理由もなく、無気力な状態になってしまうらしい病気。
それが本当に病気なのかどうか、その辺は分からないが。
「で、その無気力症になった女が……ほら、ちょっと前にアクセルが隣のク
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