暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1924話
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ラスの女と揉めたって言ってただろ? 多分その女の1人らしいんだよ」
「え?」

 順平の言葉に思わず声を出したのは、俺……ではなく、ゆかりだった。
 まぁ、昨日その女が山岸をネタにして笑っているのを見たって話だったし、そこに何か関係性を見出したとしても、おかしな話ではない。
 ただ、関係性を見出したとすれば、それで一番怪しいのは有里になるんだよな。
 以前から何度か有里と揉めてたみたいだし、昨日もその女達の話を聞いていたらしいし。
 そうなると、致命的なまでに動機がある事になってしまう。

「……アクセル」

 ゆかりも俺と同じ事を考えたのか、こちらに視線を向けてくる。
 そんなゆかりに、小さく頷きを返す。

「おろおろ? 何だよ、目と目で語り合ったりして。あー、羨ましい」

 俺とゆかりの様子を見て、友近がそう話に入ってくる。
 いや、どこをどう考えれば、そんな風に思うんだよ。
 そう思わないでもなかったが、ここで何かを言えば、間違いなくいらない騒動になる。
 その為、友近の様子はスルーして、改めて順平に話し掛けた。

「今日は有里は?」
「ん? ああ、もう来てるぞ。ただ、ちょっと用事があるとか言って、学校に来てすぐに教室を出ていったけど」

 有里の姿はない、か。
 普段から飄々と……いや、色々とこっちには理解不能の行動を取る事が多い有里だったが、今日もそれが理由なのか、それとも全裸で気を失っていたという女に何か関係があるのか。
 その辺りはどうなのか分からないが、関係がないとも言い切れない。
 全裸で見つかったのが、山岸を苛めていた女でなければ有里との関係を疑ったりといった真似はしなかったのだろうが。
 ともあれ、現在の状況を考えると、有里が何かしたという可能性は決して否定出来ないのだ。
 勿論実際には単なる気のせいという可能性も強いし、寧ろそうであって欲しいと願っているのが正直なところなのだが。

「どう思う?」
「そう言われてもな。あるのは状況証拠だけだろ? だとすれば……」

 そんな風に言ってると、タイミングを見計らったかのように有里が教室に入ってくる。

「……うん? どうしたの?」

 俺とゆかりに視線を向けられた有里は、不思議そうに首を傾げて、そう尋ねてくる。
 さて、これが演技かどうか……もし本当に何も知らないのであれば、それはそれで問題ないのだが。
 そうだな、一応念の為に探りを入れてみるか。
 ペルソナチェンジという、規格外の才能を持っている有里だ。
 それこそ、その気になれば俺達……は元々一緒に行動していないからどうでもいいとして、一緒に行動している順平達も知らないペルソナを持っていて、それを使って全裸放置をしたという可能性は、皆無ではない。


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