第五十四話 エル・ファシル真の英雄・後編
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れが何か?」
「その司令官以下捕虜をヴァルハラ星系の収容施設入所に変更できないかしら?」
「出来ると思いますがいったい何を?」
2人とも不思議がってますね、ヤンにちょと嫌がらせをしようかと思ってね。
エル・ファシルの英雄って厨二病みたいな渾名嫌ってたでしょ。
「いや武人として立派な行動をした方が謂われのない中傷で傷つくのは気の毒じゃないですか、
それに真実を叛徒共に知らせれば混乱が生じるのでは無いですか?
前回の報道規制に対処するために、
フェザーン系資本のTV局報道機関を買収してあるから伝手はあるのでしょう?
それにフェザーンでも流せば伝わるし、
イゼルローンから大出力で流せば傍受されるでしょうし、
エル・ファシルの施設を利用して流す手もあるわ、
それにネット回線の映像流通サイトで流せばあっというまに、
コピーされて政府でも手に負えなくなるとおもうの」
「なるほどいい手かも知れませんね」
「武人の鏡だとお父様から言って貰うわ」
「いい手ですのテレーゼ様」
「それじゃ準備はお願いしますね、お父様には明日にでも頼んできますから」
帝国暦478年12月8日
■オーディン ノイエ・サンスーシ 小部屋 テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム
朝からお父様にお願いをしに来ました。
お父様はにこやかに迎えてくれます。
「お父様おはようござますご機嫌麗しく」
「テレーゼよよう参った、今日は何のようじゃな?」
「お父様先だってのエル・ファシルの戦いをご存じですか?」
「国務尚書から聞いておる、敵に一泡食らったそうじゃの」
「はいその時の脱出を指揮した者がエル・ファシルの英雄と呼ばれているのですが、
その為に司令官が悪者にされているんですよね」
「しかし敵前逃亡したのであろう」
なるほどリヒテン爺さん上辺だけしか教えてないか。
「いいえ事実は違うんです。シュタイエルマルク艦隊の戦闘報告書で、
『自分の命はどうなっても良いから民間人の命を助けてくれ』と言っているんですよ、
此こそ敵ながら天晴れじゃないですか?」
「確かにそうよの。でテレーゼは何をしたいのじゃ?」
「敵司令官の身柄をヴァルハラ星系へ向かわしています、
そこで事実を発表し敵司令官の騎士道精神を褒め称えるお言葉を出して欲しいのです」
「ふむ」
「敵の民に自分の軍隊がどれだけ嘘つきかを再度知らせる機会ですからね徹底的にやります」
「テレーゼよ逞しくなったの」
「お父様とお母様の子供ですから」
「ハハハそうじゃな演技をするかの」
「じゃあお父様日にちが来たら連絡します」
「うむわかった」
帝国暦479年12月11日
■アルタイル星系第7惑星の矯正区収容施設
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