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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
71 Revolt 〜前編〜
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分な空きがあるはずの留置所なのに、3人がまとめて同じ牢に入れられている。
明かり取りの窓以外に特徴の無い間取りで、布団、トイレ、テーブル、簡単な洗面台がそれぞれ1つずつという質素極まりない部屋だ。
当然ながらコンセントは疎か風呂も冷蔵庫もテレビも無い。
何十年も変わることのない典型的な留置所のスタイルだった。
ロックマンはゆっくりと3人を見る。

「やっと飯か…変なもの入っていないだろうな?」

最初に口を開いたのはマヤだった。
ジャケットを脱いで、床に大の字に寝転がり、退屈そうにトイレットペーパーを引き出して弄っている。
その光景たるや10歳そこらの少女としては余りにも悲惨だった。
それに対し、ヨイリーは落ち着いた様子で部屋の奥で正座している。
そして肝心の熱斗は入り口近くの壁に寄り掛かりながら、心神耗弱状態に陥っていた。
顔には殴られたような目立つ傷、鼻の周りには血を拭き取った痕がある。
力の入っていない目でゆっくりとロックマンを見上げるものの焦点が合っていない。

「あっ……メイル?」

あまりにも凄惨な現実を前に身体がこれ以上のダメージを受けまいとしているのかもしれない。
変装したロックマンが桜井メイルに見えているらしい。
確かに似ている部分が無いわけでは無いが、そうそう見間違うはずは無い。
ロックマンは熱斗のその痛ましい姿に一瞬だけ目を背ける。

「はい、これ」

牢屋越しにゆっくりと近づいてきたマヤに食事のトレイを渡す。
よほど腹が空いていたのか、マヤは早速ロースカツを一切れだけつまみ食いする。
しかしすぐに熱斗の方へ向かった。

「おい、アンタ。食わないと持たないぞ」
「オレは…いい。マヤちゃんとお婆ちゃんで食べなよ…」
「駄目よ。あなただけ昨晩から何も食べてないのよ?」

「!?」

このような状況に置かれた上、一番重傷であるにも関わらず、熱斗は2人を気遣って食事を摂っていなかった。
どんな状況に置かれ、心も身体がボロボロになろうとも、熱斗はその優しさを失っていなかったのだ。
そのいつも通りの健気な姿勢に熱斗についロックマンもいつも通りの口調で話してしまった。

「もうちょっとの我慢だよ……熱斗くん」
「え?」
「あっ、いや……」

ロックマンは焦ってすぐにその場を立ち去った。

「…とうとう幻聴まで聞こえるようになった」

熱斗は今の声がロックマンの声に聞こえていた。
その時の熱斗には今の自分が正気で無いせいにしか思えなかった。
そしてそのすぐ後にそれが幻聴でなかったとしることになるとは想像もできなった。

「終わったよ!」

ロックマンは留置所を出ると無線で研究室にいるリサたちに伝えた。

『よくやった。ロックマン』
『こっちも
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