第8話
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リアンヌ分校長の言葉に頷いたミハイル少佐はリモコンを操作した。すると部屋に備え付けてあった大型のディスプレイが起動し、エレボニアの地図が映った。
「実習地は”南部サザ―ラント州、第二都アルトリザス”近辺となります。日程は4月21日、金曜の夜―――専用列車”デアフリンガー号”にて現地に向けて出発してもらいます――――」
そしてブリーフィングが終わり、教官陣やリアンヌ分校長がそれぞれの準備の為に行動を始めている中リィンとトワ、セレーネとミリアムは部屋を出た後廊下で立ち止まった。
〜廊下〜
「ふう………」
「……決まった事とはいえ、さすがに憂鬱だね。」
「ええ、難易度で言えば正直、1年半前の内戦よりも厳しいと思いますし。」
「んー、まさかここまで大掛かりな話だったなんて。せっかくついてきたのに合わせる顔が無いっていうか……」
リィン達がそれぞれ重苦しい空気を纏っている中ミリアムは溜息を吐いた後複雑そうな表情をした。
「あはは、ミリアムちゃんが気に病む必要はないってば。」
「ああ―――設立された時点で、この路線は決まってたんだろう。エレボニアの西側が手薄っていうのは何となく気づいていたしな。」
「そうですわね……エレボニアの東側と接しているメンフィル領で学んでいたわたくし達は直接関係していないといえ、メンフィル・クロイツェン統括領主関係者という事で、エレボニアに接しているメンフィル領近辺の情報も頂きましたものね。」
ミリアムの言葉を聞いたトワは苦笑しながら、リィンとセレーネはそれぞれ複雑そうな表情で指摘した。
「んー、でも情報局の人間としてさすがに申し訳ないっていうか。前もって知ってたらサラかフィーあたりに情報を流してリィン達にも伝えられたんだけど。」
「いや、それは不味いだろう。」
「守秘義務っていうのはどんな仕事にもあるからねぇ。」
「ええ……ましてや情報を取り扱っている情報局は特に守秘義務が厳しいでしょうしね。」
ミリアムが何気なく呟いた言葉に冷や汗をかいたリィンは呆れた表情で、トワとセレーネは苦笑しながら指摘した。するとその時ミハイル少佐とレクター少佐が部屋から出て来た。
「なんだ、まだいたのか。ああ、ハーシェル教官、移動計画は週明けに頼む。アルフヘイム教官も週明けに医療物資の確認の完了と演習で必要と思われる医療物資の推測の報告を頼む。」
「………了解しました。」
「……わかりましたわ。」
ミハイル少佐の指示にトワとセレーネはそれぞれ頷いた。
「レクター、もう帰るの?」
「いや、情報局のデータを渡しちまう必要があってな。しばらくかかるから適当にブラついててくれ。―――そうだシュバルツァー。
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