第8話
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「さすがに太っ腹すぎない!?」
「そ、そうですわよね……?学生の為だけに列車―――それも普通の列車ではなく”装甲列車”まで用意したのですから。」
レクター少佐の後に説明したミハイル少佐の説明を聞いたランドロスは興味ありげな表情をし、リィンやランディ、ミリアムは驚きの声を上げ、セレーネは戸惑いの表情で呟いた。
「ま、そのあたりは別の意向と予算によるモンでな。更には1年半前の内戦と”七日戦役”で目覚ましい活躍をしたメンフィルの英雄―――”灰色の騎士”や”聖竜の姫君”に”殲滅天使”、クロスベルきっての戦術家や英雄、”紅い翼”を率いた才媛までもいるし、おまけに”灰色の騎士”には1年半前の内戦で単騎で貴族連合軍の部隊を殲滅した事がある”ブレイサーオブブレイサー”の”六異将”のような正真正銘”化物”レベルの異種族達もいる。生徒達が生き延びられるよう、せいぜい頑張ってくれってことだ。」
「っ………」
「つまりは最初からわたくし達の力もアテにされているのですか……」
「ロクでもねぇな……」
「うふふ、それに今挙げた目的以外にもあからさまな”狙い”も見え隠れしているわね。」
「クク、だがこの俺達をその”狙い”でどうにかできると本気で考えていたら、その考えた奴は随分とおめでたい頭をしているなぁ?」
「………………」
(まさかリィン様どころか私達までアテにしているなんて……)
(それ程までに今のエレボニアには戦力が足りないのか……もしくは、これを機会にエレボニアの一部の勢力にとってリィンを含めた目障りな私達もその”敵対勢力”との戦いによる戦力の減少も狙っているかもしれないわね。)
(あっははは!どうやらクロスベルにいた頃と比べるとより一層”戦争”が楽しめそうだね!ま、戦争を楽しむついでにガキ共は守ってやるから安心しな!)
教官陣がそれぞれの反応をしている中ブリーフィングを見守っていたメサイアは驚き、アイドスは静かな表情で推測し、エルンストは凶悪な笑みを浮かべていた。
「―――話はわかりました。見えざる脅威に備えた実戦をも想定する地方演習―――『常在戦場』『世の礎たれ』というドライケルスの二つの理念の体現とも言えます。」
「あ………」
「……それは………」
「ハハ、”生き証人”のアンタが言うと真実味があるねぇ。」
「うふふ、なんせその二つの理念を考えた人とも実際に接した事があるものねぇ?」
リアンヌ分校長の言葉を聞いたトワは呆け、リィンは複雑そうな表情をし、苦笑しているランディに続くようにレンは小悪魔な笑みを浮かべた。
「第U分校、しかと了承しました。――――それでは話して頂きましょう、最初の演習地の場所と日程を。」
「………承知しました。」
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