ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
11話 オールラウンダーの2人
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想像できた。
「あ、あの、お話はありがたいんですが…」
リアとツカサのほうに視線を送りながらシリカは遠慮気味に言った。
「しばらくこの人たちとパーティーを組むことになったので…」
そこにいるプレイヤー全員の視線が、フードを深くかぶった2人組に注がれる。その視線が胡散臭くなるのも当たり前だろう。今の2人はかなりくたびれた様子のコートだけで、取り立てて強そうな感じは一切しない。
「あんたら、抜け駆けはやめてもらいたいな。俺らはずっとこの子に声かけてきたんだぞ」
「……」
「……」
一切二人は口を利く気配がない。シリカは2人の腕をつかんだ。
「あの、私から頼んだんです、すみません!」
シリカはそういうと、そのまま転移門広場を出てメインストリートに入るまで引っ張っていった。
「…す、すみません、迷惑かけちゃって…」
「いいよいいよ、こんなこと。それにしても、すごい人気なんだね」
「い、いえ、リアさんなんかにはかなわないですよ。あの人たち、あたしの周りにいるけど、リアさんのファンなんです。確か、WGFにも入っていたと思います」
WGFと聞いて、リアは思わず苦笑した。まあ、とそのあとで思い直す。ツカサ以外の男なんてそんなものだろうと。そこに、リアが溺愛する従弟を入れるか悩んだが、答えを出す前に、シリカが話しかけてきた。
「お二人のホームは…」
「もっと低層だけど、せっかくだし、今日はシリカと一緒にここに泊まろうかな」
「ほんとですか!ここのチーズケーキ、結構いけるんですよ」
シリカが嬉しそうに言うのを見て、リアもつられて笑ってしまう。が、その笑いは一瞬にして消え去った。ツカサの袖口をシリカに気づかれないように引く。ツカサはそれに気づき、リアの視線の先を見た。
ちょうど道具屋から、4、5人のパーティーが出てきたところだった。2人の視線が注がれていたのは、最後尾の槍使いの女性プレイヤー。真っ赤な髪を派手にカールさせ、同じく真っ赤なルージュを唇に引いていて、随分派手な印象を受ける。
シリカは、彼女と目が合うと、すぐに伏せた。その横顔には嫌悪の色が浮かんでいる。だが、逆にそんな様子を楽しむように、女は口の端を釣り上げた。
「あら、シリカじゃない」
声をかけられ、シリカの足は止まる。
「…どうも」
「へぇーえ、あの森から出られたんだ。よかったわね」
言っていることと内心がだれが聞いても違う言葉に、シリカは顔をゆがめた。
「でも、今更帰ってきてももう遅いわよ。もうアイテムの分配は終わっちゃったわ」
「いらないっていったはずです!……急ぎますから」
だが、女…ロザリアはまだシリカを放すつもりはないらしい。シリカの遠ざかり始
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