ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
11話 オールラウンダーの2人
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い!お願いしま…って、なんであたしの名前知ってるんですか!?」
「“竜使いのシリカ”、でしょ?街で聞いたんだ」
知っていてもらえて、悪い気はしない。いや、嬉しい。なにしろ、彼女は有名人なのだから。
「私はリア」
「…ツカサだ」
シリカはこの時初めてツカサの声を聴いた。驚いた顔をしているシリカにリアは苦笑した。
「ごめんね、ツカサ君、人見知りだから、そんなに気にしないで」
「あ、はい。あの、じゃあよろしくお願いします!」
シリカは深々と頭を下げた。そんなシリカにリアは微笑むと、再びウィンドウを操作した。その手から異様な威圧を放っていた片手剣はなくなり、頭を上げたシリカの目の前には、なぜかトレードメニューが開かれていた。そこには、シリカのレベルギリギリで何とか装備できるぐらいのハイスペックなものばかり。
「あ、あのこれ…」
「それを装備すれば、5、6ぐらいはレベル、底上げできるから。一応安全面を考えてね。フィールドは何が起こるかわからないから、保険で」
「で、でもこんな高価なもの…」
リアは首を横に振った。
「最前線なんていけば、こんなものごろごろしてるから。高価でも何でもないよ」
最前線で戦闘などしたことがないシリカには、それが本当かどうか確かめることはできないが、結局悩んだ末に、ありがたく受け取ることにした。
「あの、こんなんじゃ全然足らないと思うんですけど…」
そういいながら、目の前にいるリアに、今ある全財産を送る。しかし、リアがタップしたのは×ボタンで、そのお金はすぐにシリカのもとに帰ってきた。
「依頼料は、依頼が終わった後にもらうから、今はいいよ」
「そうですか…分かりました」
シリカは、潔く引き下がった。それでいいんだよ、というように微笑むリア。普通の人にはわからない(リアにだけわかる)程度で、温かく見守るツカサ。
こうして、シリカの小さな冒険は始まった。
35層主街区“ミーシェ”に、リアとツカサはシリカとともに訪れていた。前を歩くシリカにばれないように、ツカサはリアに耳打ちした。
「いいのか?」
「恐らく、ね。たぶんあの女はこっちにくいついてくる」
ツカサは割合あっさりと引き下がった。恐らく、ツカサもリアと同じ考えが頭の片隅にあったからだろう。
大型の転移門広場に入ると、シリカの顔見知りだろうと思われるプレイヤーが集まってきた。レアモンスターであるフェザーリドラを初めてテイムした少女として、名前は聞いていたが、最近はアイドルのようになっているようだ。確かに、この世界の男女比率は男が泣く程に悲しいものがあるため、シリカのような子に集まるのは容易に
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