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ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
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2章 生き様
11話 オールラウンダーの2人
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それを必死に理解しようとする。

 数秒後、やっと彼女の言葉の意味が分かった。

「あなたたちが、オールラウンダー、なんですか?」

 少女は、笑みを浮かべ、うなずいた。だが、シリカはそういわれても2人のことを疑った。この世界では、信じるよりも疑うのが基本だということは、この世界に1年半暮らしてきたシリカは十分すぎるほどにわかっていた。

 絶世の男女、というところまでは良い。だが、2人の武器はシリカが聞いているものではないし、装備だって違う。

 シリカの表情や、武装に走らせた視線で、疑っているのがわかったのだろう。少女は軽く笑った。

「低層にお忍びで来るときは装備を変更するんだよ」

 ここで装備は変更できないけど、と言いながら、メニューウィンドウを開く。(この世界で着替えると、数秒間下着表示になってしまうのだ)。そして、淡い光が少女の伸ばした手に棒状に集まり、やがてそれは一振りの片手剣へと変化する。薄紫色の鞘から、その剣を金属音をさせながら引き抜いた。それは、シリカが確かに聞いた形状の片手剣だった。薄紫の先端から、根元に向かうにつれて桜色になるグラデーションが美しい。柄頭には金の檻の中に翡翠の珠が入っている。

 青年の手にも、彼の得物があった。一目見て、一番の特徴は、槍身が恐ろしく長いことだろう。ぱっと見でも、一メートル30、40センチぐらいある。普通のスピアの槍身は、柄の4分の1ほどなのだが、彼の持つ槍身は2.5の1ほど。

 なおかつ、その槍身は、透き通るように美しい翡翠(のようなもの)で作られている。そこには、金色の狼が彫り込まれていた。

 シリカはあまり武器には詳しくないためわからなかったのだが、形状で言うと、その槍は“大身槍”というカテゴリに入る。その名の通り、大きな槍身が特徴で、それ故に、ほかの槍に比べて重い。少しでも重量を減らそうと、槍身に溝を彫ることが多かったといわれ、SAOはかなり現実に似せているのだろう。




 彼らの武器は、彼らの二つ名の由来にもなっているため、彼らが本物だということは確定された。”桜雨の戦姫”と”翡翠の狼”だと。

 



 彼女は、シリカに向かって手を差し出す。

「あなたが望むなら、オールラウンダーである私たちが責任をもってあなたを47層まで連れて行ってあげる。へたな人よりも信用できると思うけど、どうする?」

 

 微笑む少女のその手は、この世界のどれよりも、そして誰よりも信用していいように思えた。この人たちがいれば絶対大丈夫。彼らには、そう思わせる何かがあった。

「もちろん、お願いします!」

 シリカはそう言って、少女の手を取る。少女はそのままシリカの手を引き、立たせた。

「よろしく、シリカ」
「は
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