ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
11話 オールラウンダーの2人
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2人のプレイヤーが立っているのが見えた。一人はダークブラウンの長い髪を背中に流し、片手剣を持つ少女。もう一人は、肩上ほどできられた漆黒の髪に、その身の丈ほどある長槍をもった青年。
こんな時なのに、不謹慎かもしれないが、シリカはこの2人に思わず魂を抜かれてしまうほど見惚れて、息が止まってしまう。2人共、まるで腕の良い彫刻士が、腕によりをかけて掘り出した彫刻と見間違うほどの端正さだ。人生の中でこれほど美しいものは見たことがなかった。
「ごめん…君の友達、助けられなかった……」
どこまでも澄んだ声は、今は沈んでいた。友達、と聞き、先ほどの戦闘で自分をかばったピナを思い出す。今まで張っていた緊張がなくなっていたせいで、その思いはすぐに涙となってあふれだした。だが、必死に涙を収め、シリカは首を横に振る。
「いいえ……あたしが、あたしが馬鹿だったんです……。ありがとうございます、助けてくれて……」
小さなしゃくりが言葉と言葉の間に入りながらも、シリカはそこまで言った。少女は、少し目を伏せた後、地べたに座り込んでいるシリカと同じ高さの目線になるようにしゃがみこんだ。
「ね、その羽根、アイテムとかになってる?」
握りしめていた水色の羽根にシリカは目を落とした。普通、モンスターが死ぬときには、何も落とさない。ドロップ品は、直接狩ったプレイヤーのストレージに入れられるため、可視化されることはない。
シリカが震える手で羽根をタップすると、アイテム名が映し出された。
“ピナの心”
再び泣き出しそうになるシリカと、笑みを漏らす少女は、あまりにも不釣り合いだ。シリカが目の端から涙をこぼしながら少女を呆然と見ているのに気付いた少女は、首を振った。
「あなたの使い魔が亡くなったことを喜んでいるんじゃないよ。その心アイテムがあれば、使い魔はまたよみがえる可能性があるんだ」
「…えっっ?」
助けてくれたのに、なんてこの人はひどい人だろうと思い始めていたシリカにとって、その一言は衝撃的だった。
「47層に、“思い出の丘”というダンジョンがあって、その丘の一番上に咲く花が、使い魔蘇生用のアイテムらし」
「ほ、ほんとですか!?」
少女の言葉が終わらないうちに、シリカが声を上げた。一筋の希望が、シリカの心を照らす。
「でも、使い魔の主人本人が行かなきゃ、花は咲かないらしいんだ」
その言葉を聞くと、シリカの顔は曇った。
「47層…」
現在シリカがいる35層から12層も上なのに加え、シリカのレベルは今44。安全マージンは層数+10といわれており、57には遠く及ばない。それでも、シリカは少女の灰茶色の瞳を見つめた。
「情報だけでもありがたいで
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