ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
11話 オールラウンダーの2人
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桜色の色っぽい艶やかな唇を完璧な弧にし、彼女は言い放った。
「わかりました。その依頼、お受けしましょう」
―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―
シリカは、死がすぐそこまで近寄ってくる足音を聞いた。その音は小さいが、確実に近くに、そして大きくなっていく。
猿人型モンスター“ドランクエイプ”が、目の前に大きく振りかぶって棍棒を振り下ろさんとする…
今シリカがいる“迷いの森”では、最強のモンスターだ。それが先ほど、一気に3体もポップしてしまった。元居たパーティーメンバーの一人と喧嘩をして、抜けだしてしまい、隣にいるのは、テイムした“フェザーリドラ”のピナのみ。
が、そのピナは、先ほど驚くべきことに狭い来る攻撃からシリカを守って死んでしまったのだ。たった一本の尾羽を残して…
シリカはピナを殺された怒りから、ドランクエイプに鬼のようにとびかかった。怒りで周りが何も見えなくなり、ただ倒すべき相手に向かって短剣を振るう。
だが、ソロで狩りをしたことがないということは大きく、普通ならパーティーメンバーが飛び込んできてくれるスキル後硬直は、ソロなら最大の隙である。それを知らず、シリカはソードスキルを使い、硬直した。短剣のため、片手剣や両手剣などに比べて時間は短いが、それでも隙なのは変わらない。
その隙をトランクエイプは逃さず、荒削りの木の棍棒のたった一撃でシリカを吹き飛ばした。 それと同時に、シリカの手から短剣が離れて行ってしまう。それは、ドランクエイプの向こう側へと転がっていった。
丸腰となったシリカに、情けの一つもなく、黄色に染まったHPバーを吹き飛ばさんと、棍棒を振り上げた。
結局、そんなシリカの頭によぎったのは、先ほどポリゴンと化して散った、相棒だった。
「ごめん、ピナ……」
せっかく守ってくれたのに、結局自分は死んでしまうのだ。急に悔しさがこみあげてきて、シリカは歯を食いしばった。せめて、自分を殺す棍棒の軌跡ぐらい、見て居よう。ナーヴギアに脳を焼き切られるまで、目を開けて居よう。それが、自分がピナのためにできる唯一の道だと信じて。
それは、武器が今手元にないシリカの、精いっぱいの反抗だった。だが…
刹那、まったく何もないところから強風が吹きあがり、シリカの装備と髪を揺らす。次の瞬間、キイィィン、という甲高い音がした。驚いたことに、ドランクエイプの体がのけぞる。と、もう一度風が起こり、シリカを殺そうとしていたドランクエイプも、後ろに残っていたもう一体も、白い光に当たると、面白いように切断され、悲鳴を上げてポリゴンに変わる。
その光の向こう側にいた
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