ペルソナ3
1923話
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本人が何か行動を起こさない限り、俺達が何をしても無駄だと思うけどな。自分の境遇を変えようと行動に移すのなら、俺も何か協力してもいいと思う。けど、多少の不満はあっても、現状に満足して何も行動を起こさないのであれば、俺達が何か手を出すのは余計なお節介でしかないと思うぞ」
そう告げると、ベッドに座って窓の外に視線を向けていたゆかりが、改めて俺に視線を向けてくる。
「そうね、アクセルの意見は分からないでもないわ。けど、誰もがアクセルみたいに強い訳じゃないのよ」
「……現状を変える為に行動するのは、強い弱いといった事は関係ないと思うけど?」
「関係あるのよ。……いい? 山岸さんみたいに気の弱い……優しいって言ってもいいと思うけど、そういう子にとって、自分を苛めている人に逆らうような真似をするのは、凄く難しいの。……私はそれを、小さい時に学んだわ」
その言葉に、そう言えばゆかりの家族は桐条グループによってスケープゴートにされた結果、マスコミに散々叩かれたんだったな、と思い出す。
その当時、ゆかりはまだ小さく、マスコミや桐条グループといった者達の理不尽な行動にどうにか出来るといった真似は出来なかった。
……ただ、それはあくまでも当時のゆかりが小さかったからの話であって、山岸の現状とは違うような気もするけどな。
「残念だが、俺にはあまりよく理解出来ないな」
「ちょ……」
「ただ」
俺の言葉に、ゆかりが何かを言おうとするのを、強引に口を挟んで止める。
そんな俺の様子に、ゆかりは少しだけ黙り込む。
「もし山岸が、自分の意思できちんと行動をするのであれば……そうなれば、こっちも手を貸すのを断ったりはしないけどな」
その言葉に、ゆかりはどこか微妙な表情を浮かべるのだった。
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