シリルvs.ナツ
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「はいはい」
「じゃあ、また明日ね」
「うん。お休み」
レオンに追い出されるように部屋から出ていったウェンディたち。ここに残されたのは俺とレオン、そしてラウルの3人。
「で?お前は本当にここに残るのか?」
急に改まった表情で問いかけてくるレオン。これに重たい話になると察したラウルは面倒くさそうな顔をするが、静かにベッドに腰かけた。
「そりゃあ残るよ。ずっと言ってるじゃん」
「シェリアのためにか?」
そう言われてわかった。彼がギルドで俺たちに質問をして来た理由が。シェリアのいとこのシェリーさんは、先日青い天馬のレンさんと結婚してギルドから出ていった。そのためウェンディが、シェリアを1人にしたくないと残ることを希望して、俺たちも残ろうということにしたのだ。
「うん・・・シェリアには言わないでね?」
「さっきウェンディが言ってたから、あいつも知ってるぞ」
俺が気絶している間に、2人は着替えながらそんなことを話していたらしい。女子の部屋に聞き耳を立てるのはいかがなものかと思うが、ここはあえてスルーしておこう。
「でも、はっきり言うけどそれはお節介としか言いようがない。シェリアには俺もラウルも、リオンくんたちもいる。お前らが心配するような、1人になることなんてないんだぞ」
それには何も言い返せない。まさしく彼の言う通りだ。シェリアにはギルドの仲間たちがいて、幼馴染みがいる。
「俺はウェンディの意志を尊重するよ」
それでもウェンディの優しい心を邪魔するようなことはしたくない。彼女の思いやりは何にも変えがたい、大切なものだからだ。
「いつも思ってたけど、ウェンディばっかりでお前の意志はどこにもないのか?」
「!!」
図星を突かれて押し黙る。俺はどうしたいのか、今まで考えたことなかった。
「俺は―――」
ドォーン
口を開いたその時、外から突如大きな音がした。
「何の音だ?」
「ギルドの方から聞こえたよ!!」
「行ってみよ!!」
その音がギルドの方から聞こえたので慌てて部屋から飛び出す。同じく部屋から出てきたウェンディたちと一緒に、俺たちはギルドへと向かった。
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