シリルvs.ナツ
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んだのがよくわかった。自分でも自覚があったのかもしれない。誰にも言わずに修行に出て、帰ってきたらすぐにギルドを復活させる。そんなわがままが簡単にまかり通る訳がないことくらい。
「ウs・・・そうか」
何か言おうとしたが、彼は俺がグッと奥歯を噛み締めたことに気が付きこれ以上は何も言わない。俺だって言いたくなかった。でも、これくらい言わないと信じてもらえない。
「でもよぉ!!俺はみんなを守るために力を付けてきたんだ!!だから―――」
「俺だってこの1年間、ずっと成長してきましたよ」
彼がいなくなったのは冥府の門との戦いで力不足を痛感したからなのはよくわかってる。でも俺だってウェンディたちを守るために、レオンに勝つためにずっと修行してきた。ならばと俺はある提案をする。
「こうしましょう。今から俺とナツさんで勝負して、俺が勝ったらキッパリ諦めてください」
「俺が勝ったら戻ってくるってことでいいのか?」
「いいですよ」
一触即発の険悪な雰囲気。リオンさんはそれで満足ならと、その場にいた全員をバトルできる場所へと案内する。
以前マーガレット祭で使用された広場。ここの中心で俺とナツさんは戦いを始めようとしていた。
「レオン、フィールドを作るぞ」
「危ないからね」
俺たちを囲むような形で透明な氷のドームを作るレオンとリオンさん。街に被害が出ないようにするための配慮らしい。
「ルールは俺たちが決める。先に気絶した方、氷のドームから出てしまった方の負け。いいな!!」
「はい!!」
「わかった」
野次馬たちも集まってくる中、俺もナツさんも気合い十分。リオンさんが試合開始の合図をすると、ナツさんが真っ先に突っ込んでくる。
「火竜の・・・鉄拳!!」
炎を纏った拳を放つ火竜。俺はそれを見切って交わすと、同様に水を手に纏い拳を振るう。
「水竜の鉄拳!!」
顔面めがけて伸びる手。それは彼の頬をクリーンヒット―――
「させるかぁ!!」
する直前で彼の足によってそれを払われる。
「くっ」
無茶苦茶な体勢から繰り出された蹴りに思わず感心する。やっぱりナツさんはすごい。この1年でさらに強くなっている。
「水竜の・・・」
それでも、俺も十分に強くなった。それにまだまだ発展途上だし、今のナツさんに勝つこともできるはず。
「咆哮!!」
頬を膨らませて水の波動を放つ。ナツさんは腕をクロスして防ごうとするが、それを軽々と呑みこみ氷の壁に激突させる。
「やるな、シリル」
フィールドにヒビが入るほどの威力の攻撃を受けたのに、彼は多少のダメージを受けただけで済んでいる。
「
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