暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
10話 ある日のこと
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が大変な時は、私とツカサ君がいるから、頼ったりしていいんだし。もっと余裕持ってここでの生活を楽しめばいい。仮想世界(こっち)にいたって、現実世界(むこう)にいたって、今意識があるほうが現実なんだから。無理せず、アスナはありのままのアスナで行けばいいんだよ」

「要は、一人じゃないってことだ」
「ツカサさん…」
「俺たちがちゃんと支えるから。あんまり一人で背負い込むなよ」


 アスナは目頭が熱くなる感覚をおぼえてうろたえた。ここまで温かい人間の心に触れるのは初めてのことで、この感情をどうしたらいいのかがわからなくなった。だが…

「はい…っ!」

 素直になればいい。そう思った瞬間、視界がぼやけ、熱い液体が頬を伝った。















「ボス戦、頑張ったかいあったね」
「ああ…そうだな」

 ツカサの返事はどこまでも柔らかく、そして温かかった。なんとなく、心にとげが刺さったような気がしたが、それに気づかないふりをした。

「あ、そういえばLA、片手剣だったよ」
「…俺も両手槍が出たんだが」

「…えっ!?」

 リアがカエルがつぶれたような声を出した。

「ほら」

 目をしばたたかせているリアに、ツカサがアイテムウィンドウを可視化してリアに見せる。そこには、確かに今までリアが見たことがない武器の名前がそこにあった。

「LAが2つも出るなんてあるんだね」
「うーん、まあ、最後のアタックは同時だったしな、そういうこともあるんじゃないか?」

「そっか、じゃあ早く帰って確認しようよ!」
「あ、まて、リア!…まったく、元気だよな…」

 リアの背中を追いながら、ツカサが呆れたようにつぶやいた。

 きれいな夕焼けが、2人の後姿を赤く照らしていた。









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