暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
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2章 生き様
10話 ある日のこと
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いのだが…

「…ずいぶん道が入り組んでるね」
「出てこられなくなりそうだな」

 あちらこちらに細い脇道があり、入ったら出てこられなくなる可能性は十分にあるという、危険な香りが漂っている。

 リアが入りたいと思っているのは、なんとなく隣を歩いているツカサにも伝わってくる。見た目は大人っぽいのに、中身は結構子供っぽい。今度一緒に入ってやろうかと思ったところで、思わず苦笑した。あまり普段は自覚がないのだが、こういう時に自分はリアに甘いとつくづく思ってしまう。

「何笑ってるの?」
「いや、なんでもない」

 首を振ってそう答えるがと、リアはふーんという顔で、前を向く。

 が、前を向いたリアの顔には、すぐに不敵な笑みが浮かんでいた。ツカサもつられて前を向くと、そこには白を基調とし、赤のラインが入った特徴的な戦闘服に身を包み、腰に一振りのレイピアを下げた少女がいた。

 彼女は、リアとツカサに気づくと、ブーツを鳴らし、2人のそばに来る。

「こんなところで会うだなんて奇遇だね、閃光さん」
「奇遇も何も、どうして私がここにいるかなんて、わかりきっているでしょう」

 怒気を含んだ瞳で、アスナはリアをにらみつけた。だが、そんな視線にも動じず、リアは飄々と笑っている。

「もしかして、ボス倒しちゃったの、ばれた?」
「ばれたも何も、ここにいるということ自体そうでしょう!?第一、こんなことをするのはあなた方2人しかいない!」

「…で?閃光さんは私たちに何を言いに来たの?」
「っ…」

 熱くなるアスナに、リアの核心をついた言葉に、アスナは一瞬だけ、口をつぐんだ。

「…これからあまり自分勝手な行動をしていると、こちらも制裁を下さずにはいられなくなります」
「ふぅん。そうなんだ。まぁ、攻略スピードも落ちてボス戦での死者の数が増えてもいいならご勝手に?といいたいところだけどね」
「っ…」

 アスナは一瞬詰まる。リアの言っていることは正しい。この2人がいるからこそ、ここまでのハイスピードで、尚且つ死者の数を抑えられている。2人の力はアインクラッド攻略に必要不可欠なものだ。
 黙ってしまったアスナを見たからか、リアは溜息を吐いた。

「…と、別に私はこんなことが言いたいわけじゃないんだよ。ただね、最近のアスナはすごく焦ってるみたいに思えたから」
「…え?」

 あまりにも意外な言葉に、アスナは硬直した。どういうこと…?

「一刻も早く現実に戻りたい気持ちはわかる。でも、そんなに張り詰めてピリピリしてたら100層まで持たない。糸は張ったら張ったほど切れた時の衝撃は大きいからね。頑張りすぎはよくないよ」

 
 リアはポン、とアスナの頭に手を置くとわしゃわしゃと撫でる。

「アスナ
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