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ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
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2章 生き様
10話 ある日のこと
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角は上がっているが、眼は笑っていない。恐怖の光景だ。だが、キリトが心から敬服するのは、そんなリア相手にも、アスナが引かなかったことだ。

「あんまり傲慢になってると、足すくわれるよ?」
「余計なお世話です」

 アスナは冷たく跳ね返した。だが、本当に少しだけ、語尾が震えていたように感じるのは気のせいだろうか?

「私とツカサ君がボスの攻撃は全部パリィする。だから、誘い込む作戦はなしにしてもらっちゃダメかな?」

「な!?そんなのだめです!だいたい、そんなことしたらあなた方二人の命が危険です!」


「…はぁ…」


 リアはなぜか溜息を吐いた。そしてアスナから一歩距離をとると、やれやれ、というように首を振る。

「…ご懸命な血盟騎士団副団長アスナ様がそこまで言うならその作戦で行けばいい」

 リアは口にしたその名称を明らかに馬鹿にしていると誰もが感じた。そして

「でも、私は残念ながら賛同できないよ」


 そう言い残すと、リアは身を翻し、そのあとにアスナを一瞥したツカサも続く。





 アスナは暫く動けないままでいた。彼女の中に湧き上がってきたのは、馬鹿にした発言をされたことに対する怒りでも、彼ら二人の力が借りられない落胆でもない。最後に自分を見て言った2人の、あまりにも冷淡かつ冷酷な瞳に対する恐怖だった。




―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―





 日が一日の中で最も高くなり、さんさんと明るい光を振りまいている時間帯の仲、転移門へと足を進めながら、

「やりすぎたかな?」

「まあ、いいんじゃないか?」


 ツカサは言う。

「正直、俺はあの場に、自分の命とNPCの命を同じ天秤にかけられるやつはそうそうそういないだろうな。キリトみたいなやつのほうが珍しいんだ。だから、俺たちだけの意見として通したことは正しいと思う」

「やっぱり、人と同じ考えになるって難しいね…」
「まあ、俺たちにそれを求めるほうが間違ってると思うけどな」
「それもそっか」

 リアはそういって微笑んだ。



 

「…ツカサ君は、今のアスナのことどう思ってるの?」

 少しの沈黙の後、切り出したのはリア。

「そうだな…ずいぶん1層の時から変わったと思いきや、本質的なものは何も変わってないと思う」

「本質的なもの?」

 ツカサは頷いた。

「そう。初めてこの世界で俺がアスナに会った日に、アスナが言った内容は今でも覚えてる。“この世界に負けたくない。自分のままでいたい”。そう言ったんだ」

「負けたくない、自分のままでいたい…か」

 リアは、繰り返して呟く。なんとなく、意味は分かる。だ
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