6・裏高野へ
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わかった、わかった。学校の方はわしから言っておく。じゃが、どうなってもしらんからな」
老人は呆れたように首を左右に振った。
「やったぁー」
阿修羅は飛び上がって喜んだ。
「では、孔雀、鬼丸、阿修羅。明日にはたて。気を付けて行ってくるのじゃぞ。着いたら必ず日光様の下に行くのじゃ」
老人は、それだけ言い残すと部屋を立ち去った。
「じゃあ、孔雀。私、一応戻るね。二人で行っちゃだめだからね」
阿修羅もまた部屋を出て行った。
「で、鬼丸、お前はどうするんだ?」
孔雀は腕を組んだまま動かない鬼丸をみた。
「なぁ、孔雀、この件、俺はどうも嫌な予感がしてならない」
鬼丸の本能がそう感じているのか苦虫をつぶしたような顔で言った。
「嫌な予感ってなんだよ?」
呪禁道の鬼丸。密教の孔雀。お互い相容れない者ではあるが、奇妙な縁を孔雀は感じている。
「うーん、わらからねえ。わからねえが、孔雀、気を付けた方がいいぜ」
鬼丸は黒いサングラスの下の目を鋭くして孔雀をみつめた。
「ありがとう、鬼丸。明日は出発だ。帰らないならここに泊まって行くといい」
孔雀はにっこりとほほ笑んで鬼丸に言った。
明朝8時に孔雀と鬼丸。そして、阿修羅の3人は裏高野へ鬼丸の車で出発していった。
「おい、孔雀。俺の車を汚すんじゃねぇぞ」
鬼丸はにやにやしながらからかうように言った。
「え?孔雀、まだ、乗り物に弱いの?」
鬼丸の言葉に阿修羅は驚いて孔雀をみた。
「うるさいな。ほっとけよ」
孔雀は怒ってそっぽを向いた。
「ほんと、難儀なやつだぜ」
「ほんとよね。喧嘩は強いのに車に弱いなんてさ」
鬼丸と阿修羅は笑いあった。
「ほっとけって言ってるだろう。鉄の車や列車が猛スピードで走るなんて信じられるか」
「でもな、孔雀。本当にこれだけは言っておくぞ。俺の車を汚しやがったらただじゃ済まねえ」
鬼丸は孔雀の法衣の首元をつかんですごんだ。
「大丈夫だよ。薬も飲んだしな」
「へぇー、薬も嫌いな孔雀が薬のんだの?」
阿修羅はからかうように笑った。
「あぁ、車酔いして裏高野に出頭できないなんてことになったら、それこそ日光にどやされるからな」
孔雀は身震いをしてみせた。
「そうねぇ、日光様、怒ると怖いから」
阿修羅も身震いをした。
「ところで、孔雀。裏高野の途中までは車で行ったとしても、日が暮れてしまうぞ。どうするんだ?」
「それは、心配ない。阿闍梨が宿を手配しておくそうだ。温泉らしいぞ」
「温泉!!やったぁー」
阿修羅は温泉と聞いて無邪気にはしゃいだ。
「やれやれ、遊びに行くんじゃねぇのによ」
鬼丸は阿修羅の様子をみてため息をついた。
「いいじゃない。温泉よ、お、ん、せ、ん」
「それはともかく、今
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