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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
外道の執行
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す。これまで同じ屋根の下で過ごし、同じ旗の下で戦ってきた、一輝という人間の本当の姿」
「もうあれ以上、隠してることはないんだ」
「鬼道のことを除けば、何一つ。まあ、耀さんや飛鳥さんが気付いていることも含めて、ですけど」

その上で、仲間だと思えますか?と。そう問われ、すぐに返すことはできなかった。この状況を見て、恐怖を抱いてしまったから。それ故に、耀は問いに問いを返す。

「湖札たちは、どうしてるの?」
「なんだか色んなところで聞かれてる気がしますけど、まあ同類(ヤシロと湖札)だったり道具(スレイブ)だったり諦めて受け入れて(音央と鳴央)いたり、です。本当に色々ですよ」
「そ、っか」

歪に過ぎる関係を知り、はてどうしたものかと思考していると、悲鳴の舞台から大きな輝きが。目を向けると、何か黄金に輝く塊が発生している。

「あれは・・・?」
「ユースティティアの魂、でしょうね。殺されたことで兄さんに封印される、と言ったところでしょう」
「でも確か、ユースティティアはギリシア神群から不死を与えられたって」
「ええ、確かに不死を与えられていたようです。ですが、当然ながらそれはギリシア神話における不死・・・ケイローンの逸話をご存じですか?」

言われて、思い出した。ギリシア神話において、不死とは手放すことが出来るものなのだ。その思考に至った時、先ほどまで行われていたこともまたギリシア神話の再現・・・プロメテウスの逸話から来ているのだと察した。

「きれいに輝くんだね、魂って」
「霊獣か神様だから、というのもありますけどね。ただの妖怪や人間の魂は輝きません」

所詮人間なんざそんなもんだと言われたようで、釈然としない。そんなことを考えながら、全てのことを終えて近づいてくる一輝を見る。どんな表情で接すればいいのか、判断がつかなくて頭が真っ白になる。

「さてと、だ。ひとまずこれ、預けるわ」
「え?あ、うん・・・え?」

渡されたのは、Dフォンだった。確かこれは、隷属関連の重要なものだったはず・・・

「じゃ、しばらく任せた」
「え?・・・・・・え!?」

しれっとそう告げた一輝は、煙球を地面に投げつけ・・・兄妹そろって煙がはれる間にいなくなっていた。しばし無言で呆れてから、ポツリ、と。

「なんでこー、なるの」

春日部耀の口かららしくなく、そんな言葉が漏れた。


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