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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
外道の執行
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んの数瞬。切断された足はすでに生えているが、有利を取れるほどの時間ではない。・・・むしろ、ゲームの終了に伴って戻ってきた感情は、今見ることのできた罪を理解しきれていない。
一族の敵を、必要以上に苦しめて殺す姿があった。
一族を皆殺しにされた恨みの発散にしては、強すぎる行為だ。
会社内に潜む敵を探りだすために、無差別に関係者を拷問する姿があった。
罪人の行った
無差別殺害
(
罪
)
は重い。だが、無関係な人間も巻き込んだ。
せめて娘が独り立ちできるまで待ってほしいと頭を下げる父親の目の前で、娘と妻を射殺し「もう理由はなくなったな?」と残酷に告げる姿があった。。
やむを得ず手を汚したお人よしに、自分のせいで愛する妻子が死んだという責め苦であった。
強さをもとめて辻斬りを繰り返した中華の守護者は、生きながらミンチとなった。
民を守り続けた英傑はただ無情に刻まれ、屍は烏についばまれる。
妄執の果てに人間をやめた
肉塊
(
賢人
)
は、虚無に呑まれて消滅した。
国を個人の欲望から解き放つための研究は、ゴミにもならないと嘲笑いながら破壊された。
それを直視したが故に、彼女は全て理解した。一つ、彼は互角の殺し合いに興奮する異端者である。二つ、彼は命を奪うことにためらいを覚えない殺戮者である。三つ、そもその殺しの動機すら必要としない機械である。
こんなものが正義であるものか。しかし、これは悪でもない。義務ではなく、権利も存在しない。感情に従った結果ではなく、仕事として行ったわけでもない。欲求に従ったわけではなく、必要に迫られたわけでもない。
本当に、何の要素もなくなった存在が、ただ殺しを行ったのだ。
行動に意志は無く、結果が善悪双方存在するが故の、外道。表す言葉があるのなら、最大のクズ。当然、悪ではなくとも世界に存在していいものではない。剣を構え、次の瞬間、対象は眼前にいた。空っぽの瞳。何の感情もなく、ただ剣をいなして刀で足を抉る。正義の体は容易く転がり、外道はその胴へ刀を突きさす。女神は、神刀によって地面へ縫い付けられた。
たかが腹部を刀で貫かれた程度。ギリシア神群より不死を賜った体にはその程度なんでもなく、すぐに修復された足も駆使して立ち上がろうとするが外道はそれを許さない。上から抑え込み、四肢の骨を破壊して、その体に呪符を貼りつけ、九字を切る。続けて、不動明王真言が唱えられた。不動金縛りの術。金縛りの文字通り、その身の自由を縛った。
この世の善を定める女神はここに、自由を簒奪された。
「ふぅ・・・」
敵の自由を奪い、鬼道一輝は感情を再構成した。腕を、足を、半身を何度も消し飛ばされつつの機械的な攻撃。それを行うために削除した感情を、これまでそうしてきたように作成して、鬼道一輝という本体に読み込ませる。と
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