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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
正義の執行 A
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ような理屈を持つ存在なのか、それを知る。
それ故に。誰もが正しいのだと判断しなけえればならない存在であるが故に。間違ったことは何があっても行わない存在であると知ったが故に。

感情は、たった三つを残してそぎ落とされた。

一つ。大切を害する何人をも許さぬ。ただし、大切を定義する感情は存在しない。

二つ。一族の血を滅ぼさない。途絶えさせることは世界の崩壊故に、世界から植え付けられた感情。

三つ。気に入らない存在を、何が何でも排除する。しかし、気に入る気に入らないを定義する感情は存在しない。



しかし―――感情が消失する前に、目の前の存在がこの上なく気に入らないと断定した。



今となっては、何故気に入らないのかも覚えていない。だがどうやら、気に入らないらしい。であれば、何をするのかは決まっている。

「ああ、反吐が出る」

瞳に感情は宿らない。当然だ。そんな感情は存在しない。
その体に一切の無駄はない。当然だ。無駄を発生させる感情は無いのだから。
手段に対するためらいはない。当然だ。恐怖も打算も存在しないのだから。
背後の存在への配慮は存在しない。当然だ。大切だとも気に入らないとも定義されていない彼女は、路傍の石ころと何も変わらない。

ここにあるのは。ただ目の前の女神を殺戮するだけの。機械だ。

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