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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
正義の執行 A
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・であるはずだった。
現実は、そうはならない。十六夜の攻撃は全て避けられ、ユースティティアの攻撃は全て狙った位置へと打ち込まれる。ユースティティアの主催者権限は未だ発動したままであり、行われるゲームの内容は『罪の特定、及び罰の執行』である。これによって十六夜の害意を特定、結果としてどこへ打ち込もうとしているのかが判明してしまう。
皮肉なものだ。新たな力を得ようと一輝から習ったものは武器、手段と言う逆廻十六夜にとって最も不要なものを与えてしまい、弱体化したが故のこの結果。一輝から何も習っておらず、武器を手に取るという愚もおかしていない十六夜であればこのような結果にはならなかった。そのころの彼の速度であれば、分かっていたとしても追いつくことはできない。否、頭で考えないが故に害意を特定したとしても場所は特定できなかっただろう。
結果として。身体能力から十六夜の体を撃ち抜く蛟劉のような手段ではなく。技術によってその肉体を突破する一輝のようなやり方でもなく。本来撃ち抜けないはずの力を用いて、劣り過ぎる技術に乗せて、ユースティティアは逆廻十六夜に勝利した。
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意識を取り戻し、瓦礫から抜け出した耀はまず額から流れる血を拭った。続けて顔を上げると、立っている人物が一人。十六夜ではなく、ユースティティアであった。慌てて立ち上がり、ギフトへと意識を向ける。もっとも使い慣れているグリフォンを取り出そうとしたところで、
「まだやりますか?正直、これ以上いくらやっても変わらないと思いますが」
と、断言される。意識を取り戻したらこの状況なのだから心のどこかでそう思っていた身としては、体が固まってしまう。それでも、何もしないわけにはいかない。時間を稼ぐことが出来れば飛鳥と黒ウサギが戻ってくる可能性もある。そこまでの時間稼ぎを行うことが出来れば、まだチャンスはある。相手が神霊だけに他のコミュニティが協力してくれるのかはわからないが、それでも何とかするしかない。これまでに使った中から手段を探る。
形状。杖、火力は足りないだろう。光翼馬、いざとなればこれで先に合流する。麒麟、威力は十分検討対象。火鼠、意味がない。マルコシアス、現状最有力。
大鵬金翅鳥
(
ヴィナマ・ガルダ
)
、対神の属性は有利だと判断。
原初龍・金星降誕
(
ケツァルコアトル
)
、有力ではある。後半はタイムリミットの存在が怖く合流して協力という目標は捨てることになる。
そこでふと、ある可能性が頭をよぎった。この状況を打開しうる最大の手段。その能力の大きさ故にタイムリミットが存在することは確定している。もしかするとそれ以上の対価が発生するかもしれない。試すだけの価値はあるだろう。ペンダントを握り、他に問題がないかを探る。
可能なのかどうか。今やろうとして問
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