暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
正義の執行 @
[8/9]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
こと。
一方へ乗せられたのは罪の総量。であればもう一方へ乗せる物は。
「続けて、罰を述べます」
そう、罰だ。釣り合うだけのそれをもって、その罪は真に雪がれる。
彼女の言に従うのなら、それを決める最大の権利を持つのは実際に彼女の
主催者権限
(
ホストマスター
)
が初めて発動された時の被害者、串刺しにされ死んだ吸血鬼たちだろう。だが、それはもういない。
なら、次にそれを決められるのは。それだけの権利と責任能力を持つ者だけ。
例えば、白夜叉の身分の保証人となった仏門のように。
例えば、ジャックの決意を持って後見人となった聖人ペトロのように。
例えば、外界において逮捕から裁判、刑の執行を許された者たち、そのシステムのように。
そして、その行為。全裁判の功績を持ち、感情的成長の要素が極限まで薄くなっている正義の女神、ユースティティアは。その行為をする者として、最適である。なにせ、彼女の主張は正しい。絶対に正しくなるよう、そう制限され、束縛されてきたのだから。
「罪状への罰は、死です。死をもって罰の執行となる。ここに私は、そう判断します」
カタリ、と。天秤はその言葉を持って釣り合った。持ち主以上の公正さを表す機器が、その真実を告げた。
「ここに天秤は成りました。続けて、罰を執行します」
「なっ・・・!?」
目隠しは外れ、天秤はしまわれ、剣を持って立ち上がる。その
間
(
かん
)
にレティシアは何もない場所から現れた鎖によって縛られ、封じられている。あとは剣でもって罰を下すだけ。そして、女神にその行為へのためらいはない。当然だ。そうあるよう、縛られている。
だから。それに抵抗することが出来たのは。ここまでをその唐突さから見ていることしかできなかった。また、その罰が『死』だとは考えていなかった、彼女の同士である。
「ざっけんな、クソ女神!」
逆廻十六夜の足が女神の側頭部へ当たり、壁を突き破ってその者を部屋から叩きだす。
「黒ウサギ!ヤツの主催者権限に対して審判権限は使えるか!?」
「へ、ちょ、十六夜さん、」
「いいから早く答えろ!このままだと、レティシアが死ぬぞ!」
その言葉で、未だに動けずにいた三人は状況を理解する。彼の言うとおり、このままであれば確実にレティシアを殺される。それは許されない。
だが、リーダーのいない場でこれほどの女神に喧嘩を売って大丈夫なのかと、一瞬の思考。が、その結果はすぐに出た。そして、それはその結論をとうに出していた十六夜と全く同じ。
一つ、一輝がこの場にいたとしたら、理由は異なったとしてもこの女神に敵対している。
二つ、そもそもアイツもさんざん迷惑をかけてきているのだ。早速できたコネを使ってギリシア神話に頭を下げてこさせればいい。
以上、問題なし!
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ