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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
正義の執行 @
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「んで?その・・・正義の女神サマだっけか?ソイツがウチに何のご用事で?」
「ちょっと十六夜さん、相手が相手なのですからもう少し言葉をですね、」
「いえいえ、構いませんよ、帝釈天の眷属、月の兎さん。
私
(
わたくし
)
の方も唐突な訪問でしたから」
と、コミュニティの応接間にて一輝不在の間リーダーの仕事を任された十六夜の発言に対し、ユースティティアは女神とは思えないほどに寛容な返事を返す。その上で姿勢を正し、頭を下げた。
「その件については今回、失礼な真似をしてしまったこと、深く謝罪いたします。何分
私
(
わたくし
)
も突発的に行ったことでしたから。後日改めて、正式に謝罪させていただきます」
「いえ、そんなお気になさらないでください!ただでさえここ数日多くの神群から届いていて、これ以上は黒ウサギの胃が・・・」
「外界の裁判へ名前を貸している女神さまの正式な謝罪か。何が届くか楽しみだな!」
「ええ、本当にね。当然正式な謝罪だもの、手紙だけではなく物品も届くことでしょうし」
「私としては美味しいもの希望です」
「何を言ってらっしゃるのですかこの問題児様方は!」
黒ウサギの右手のハリセン、左手のハリセン、頭のハリセンが炸裂する。客人の前にもかかわらずついクセでやってしまった黒ウサギは一瞬で顔色を青くして、その客神をみる。
箱庭世界、上層の偉い人たちの中には「なんとなく気に入らない」という理由で下層の一地域を滅ぼすくらいのことはして見せる。正義の具現であるとはいえ相手は女神だ。どうなったものかと恐る恐る確認して・・・
「仲がよく、大変素晴らしいコミュニティですね」
なんかすっごく人のいい笑顔であった。ホッと一息ついて、黒ウサギは自分の席に戻る。黒ウサギの胃に、一時の安らぎがもたらされた。すぐに壊れそうな未来も見えるんだけどね、うん。まあ仕方ない。
「それに、
私
(
わたくし
)
はあなた方の功績を評価しています。過去にさしたる悪行もなく、彼の絶対悪の魔王“アジ=ダカーハ”の討伐へ参加、“
名無し
(
ノーネーム
)
”でありながらその戦いにおいて大きな功績を残す・・・普通にできるものではございません」
と、そこまでいってから何かに気付いたのか。はっとした表情となり、再び頭を下げた。
「申し訳ありません。そのつもりはありませんでしたが、差別的な表現をしてしまいました」
「あ、いえ・・・それについてはお気になさらず。むしろ現状では、ノーネームという名前が売れていますから。他の呼び方をされてしまうと困る面は、正直ありますので」
現状、彼らのコミュニティは差別的意味合いではなく“ノーネーム”と呼ばれている。むしろその名前であるからこそより一層名前が売れているため、そのまま広めていってほしいのだ。
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