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提督はBarにいる。
変わり揚げでマンネリ脱出?・その3
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備だ。素麺をポリ袋に入れて、5mm〜1cm位の長さになるように折っていく。衣に使う素麺だが、出来るだけ細い物を選ぶと良いだろう。揚げた時のパリパリ感は細い方が良いからな。

 コロッケのタネに衣を付けるぞ。小麦粉、卵、砕いた素麺の順に衣を付けて、後は170℃に熱した油にドボン。タネは既に火が通っているので、衣にさえ火が通ればOKだ。




「さぁ出来たぞ、『特製パリパリコロッケ』だ」

「ん?何だこの表面の細長いの」

「あぁ、それか?細かくした素麺だ」

「そうめん?そうめんって、あのそうめん?」

「龍田が言ってるのがどのそうめんかは知らんが、夏にツルツルっとやる、あのそうめんだ」

 そうめんって言葉がゲシュタルト崩壊しそうだ。そんな2人は疑い深そうに手を伸ばさない。見た目は普通のコロッケと大分違うが、味は保証するんだがなぁ。

「どれ」

 手が伸びないなら勿体無いと、揚げたてでまだ少し熱いコロッケを手掴みで持つ。火傷する程ではないので我慢しつつ、ソースをかけてガブリ。すると、揚がったそうめんがパリパリと歯応えを残し、そこにジャガイモのホクホクとした食感が混ざる。パリパリとホクホク、一見合わないんじゃないかという異なる2つの食感は中々どうして、口の中で一体感を見せる。コロッケの熱気とソースの濃い味を十分に堪能した所で、よく冷えたビール。間違いのない組み合わせだ。

「うん、美味い」

 俺の確信めいた言葉に安心したのか、2人もようやく手を伸ばす。

「あら、表面がパリパリで美味しいわぁ♪」

「なんかベビースターみたいな感じだな」

「おま、天龍よぉ。ベビースターって……別な言い方なかったのかよ」

 流石に駄菓子と一緒にされると、少し物悲しい物がある。そんなやり取りを見て、龍田がクスクス笑う。笑われた事に気付いた天龍がムッとしつつ顔を赤くして、龍田に怒鳴っている。何だよ、姉妹の仲を多少心配していたが、何の問題も無いじゃねぇか。そんな2人の姉妹喧嘩?を眺めながら、俺はビールのジョッキを傾ける。こんな騒々しい夜も、たまにはいいモンさ。
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