第五十三話 エル・ファシル真の英雄・中編
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がないことだ、このままだと死者が多数出る」
「諒解しました」
同盟領エル・ファシル星域 エル・ファシル本星 同盟軍宇宙港
9月1日急報が人々を驚かした。
リンチ司令官と彼の直属の部下たちが民間人や他の部下を見捨て、
軍需物資を持ってエル・ファシル本星から逃亡しつつ有るというのだ。
騒ぎ立てる人々に、ヤンはようやく脱出の指示をだした。
「心配は要りません。司令官が帝国軍の注意を引きつけてくれます。
レーダー欺瞞をせず、太陽風に乗って悠々と脱出できますよ」
「ヤン中尉君はこの事を予測していたのかね?」
驚いた表情の代表者達。
「司令官をおとりにした訳か」
「さあ行きましょう」
彼の予言は的中した、リンチ少将以下は事あることを予測していた帝国軍に散々追い回されたあげく降伏して捕虜となったのである。
帝国軍がリンチ司令官を追い回している中、
ヤンの船団は悠々とエル・ファシルから脱出をしていた。
無論偵察艦によりその姿はレーダーに映っていたが、
脱出する宇宙船がレーダー欺瞞をせずに居る訳がないとの先入観から見逃してしまったのである。
■同盟領エル・ファシル星域 エル・ファシル警備艦隊旗艦グメイヤ
エル・ファシルを脱出し全速で敵の薄いところを狙って突破をはかったが敵艦隊は次々に追跡してくる又一隻沈んだこのままではいかん。追いつかれる駄目か参謀長が敵艦から発光信号が来ているといってきた。
「なんと言ってきている」
「最早貴官は我が艦隊の重包囲下にあり降伏せよ呵らずんば攻撃する」だそうです。
「最早無理か皆の命を救う為に仕方ないが降伏する。敵艦隊に受諾の返答を行え」
「はっ直ちに」
「司令官閣下、汚名が残りますね」
「仕方がないことだ、後は増援がエル・ファシルを奪還してくれるのを祈ろう。
済まんなみんなを巻き込んでしまって」
「司令官閣下・・・・」
■同盟領エル・ファシル星域 シュタイエルマルク艦隊旗艦フォールクヴァング
クリストフ・フォン・シュタイエルマルク
攻撃前日に敵艦隊が脱出を狙い突撃してきた、
民間人を見捨てて逃げる気かと当時は思った。
しかし其れが間違えだと気がついたのは戦闘後だった。
オペレーターの声が響く「敵艦隊が突破し逃亡しようとしています」
「参謀長逃げる気だな」
「民間人を見捨て逃げるのですかな」
「卑怯な奴だ、追撃するぞ!」
敵艦隊は散々我々をエル・ファシルから遠ざけたが、
遂に重包囲下に置かれ降伏した。
卑怯者はあっさり降伏する物だと思い。
捕虜にした敵司令官に会うのも馬鹿馬鹿しく感じたが取りあえずは会うことにした。
会ってみると堂々としており、
『自分の命はどうなっても
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