第三章
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「ではな」
「こちらにお呼びしますね」
そのターニャをというのだ、そしてすぐにだった。
ピョートルは携帯で女性スタッフの一人を呼んだ、すると四十近い結構恰幅のある女性hが着た。長い金髪が波立っていて目は黒だ。肌の色は雪の様に白い。
その女性がピョートルのところに来て彼にロシア語で尋ねた。
「何かあったの?」
「はい、実はですね」
ピョートルもロシア語でターニャに話す、二人の話はロシア語を知らないアブンにはわからなかった。
「お店のご主人とお髭の話をしてまして」
「ああ、それでなのね」
「ターニャさんさえよければ」
「いいわ、私のを見せればいいのね」
「お願い出来ますか?」
「これ位何でもないわよ」
ターニャはピョートルに気さくな笑顔で応えた。
「今日はまだ剃っていなしいね」
「それじゃあ」
「ええ、じゃあ通訳お願いね」
「それでは」
ロシア語でやり取りをしてだ、そしてだった。
ピョートルはあらためてだ、アブンに話した。
「こちらの人がです。
「髭を生やした女の人か」
「お口のところをよく見て下さい」
ターニャのそこをというのだ。
「まさに一見です」
「では」
アブンも頷いてだ、実際にだった。
ターニャの口元を見た、するとだった。
うっすらと、産毛であったがだ。髭があった。それで彼も納得してそのうえでピョートルに話した。
「確かにな」
「ありますね」
「あるな」
その髭がというのだ。
「実際に」
「まさかと思ったが」
「とにかく寒い国なので」
「女の人でも髭は生えるか」
「全体的に毛深いんですよ」
ピョートルはこうも言った。
「僕にしても」
「そういえば欧州の人は」
「コーカロイドはそうですね」
「毛深い人が多いな」
「胸や脛なんかも」
「髭も濃いのか」
「はい、そして女の人もです」
「髭も生えるか」
アブンも納得した。
「そういうことか」
「そうなんですよ」
「成程な」
「暑いとどうしても」
身体が求めていなくてというのだ、防寒として。
「生えないですが」
「アラブだとな」
「暑いですからね」
ピョートルは少し苦笑いでアラブの暑さについてまた言及した。
「どうにも」
「ロシアからすれば余計にか」
「はい、本当に」
「氷が張るな」
「もう氷なんて」
それこそというのだ。
「夏以外は」
「張るんだな」
「息が凍りますから」
「吐いた息がか」
「そうです、出した瞬間に」
「それはまた凄いな」
アブンも聞いて驚くことだった。
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