第四章
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「多分な」
「そうか、何か嫌な話だな」
「いじめられっ子がいじめっ子になってか」
「悪い種を自分で蒔くなんてな」
それこそというのだ。
「やりきれない話だな」
「全くだな、あのままだとな」
「あいつは報い受けるか」
「自分をいじめていた連中をボコったっていうけれどな」
この話もするのだった。
「けれど今度はな」
「自分の番か」
「そうなるさ、自分をいじめた奴等が報い受けたなら」
それならというのだ。
「後輩をいじめてる自分もだよ」
「因果応報か」
「そうさ、何か最近やばい感じするだろ」
詩乃を観ていてとだ、達夫は城太郎に尋ねた。
「それは」
「ああ、何か言われてみるとな」
城太郎もその指摘を否定しなかった、近頃の詩乃の外見を思うとだ。
「病的に痩せてきてな」
「目つきとかおかしいだろ」
「前以上にな」
「何かやばいことやってるかもな」
「ヤクとかか」
「そういうのじゃなくてもな」
ドラッグではなくとも、というのだ。
「何かやばいのやっててな」
「ああなってるか」
「ああ、そうかもな」
こう城太郎に話した、少なくとも彼は詩乃は遅かれ早かれ報いを受けると思っていた。そして実際にだった。
詩は報いを受けた、その報いはというと。
「あいつ入院したってな」
「らしいな」
「栄養失調と急性アルコール中毒か」
「何か最近拒食症になってな」
そしてとだ、達夫は校舎の屋上で弁当を食いつつ購買で買ったパンを食っている城太郎に話した。大きな連休明けで暫く振りに学校に来ての話だ。詩乃はその連休前日の夜に病院に担ぎ込まれたのだ。
「毎晩飲んでてな」
「それもかなりだな」
「急性アルコール中毒になってな」
そこまで飲んでというのだ。
「入院したな」
「そうみたいだな」
「それで見舞いにはな」
「どうせ誰も行ってないだろ」
「俺達クラスメイトもそうでな」
やはり誰も見舞いに行っていない。
「空手部だってな」
「誰もか」
「行ってないってな」
「それだけ嫌われてるんだな」
「嫌われるのもな」
それもというのだ。
「理由があるだろ」
「あの性格と行いじゃな」
それこそというのだ。
「嫌われて当然だろ」
「そうだな」
城太郎も否定せずに頷いた。
「それはな」
「そういうことさ、こうした報いなんだな」
「そうなんだな、倒れてそしてか」
「入院してもな」
「誰も来ない」
「自業自得にしても」
「堪える報いだな、けれどな」
ここでこうも言った城太郎だった、四限目が終わって購買部にダッシュして手に入れた焼きそばパンを食べながら。
「あいつ栄養失調に酒か」
「そのことか」
「何食わないで毎晩飲んでたんだ?」
このことが気になった
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