第一章
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弱い人間
枢詩乃はいじめられっ子だった、小学校時代は随分と酷いいじめを受けていた。
だが私立の中学に合格し中学生になり一念発起して中学の部活である空手部に入り町の空手の道場にも通う様になり日々激しい修行に勤しんだ。
朝早くから走り柔軟も空手自体の鍛錬も忘れなかった、その結果中学一年で初段を取ってだった。
実力をさらに上げていった、中学を卒業後はエスカレーター式で高校に入学した。その時にはだった。
誰も詩乃を馬鹿にすることはなくその強さを認めていた、しかしその彼女を見てだった。
同級生達は眉を曇らせてだ、こう話した。
「何かね」
「近寄り難い?」
「そう、どうもね」
「刺々しいわよね」
「何かあると睨んでくるし」
「人の意見聞かないし」
「というか認めないのよ」
他人の意見をというのだ。
「自分が正しいで」
そう言って引かないというのだ、何かあると。
「クラスそれで大変よ」
「普段は無口でも言う時は引かないから」
「しかもいざってなったら普通に喧嘩腰だし」
「あっ、部活で荒廃に厳しいって聞いたわ」
「かなり厳しいみたいね」
このことが噂になっているのだ。
「後輩の意見なんか聞かないで」
「厳しい練習ばかりさせて」
「何か言おうとしたらすぐに言い返すらしいわね」
「稽古で叩きのめすっていうわね」
「それも徹底的に」
そうするというのだ。
「いじめみたいね」
「意地悪はしないけれど」
「自分以外の意見は認めないで」
「容赦しないってね」
「そうした娘みたいね、部活でも」
「本当に付き合いにくい娘よ」
「自分をいじめた相手なんか」
その面々はというと。
「中学校の時呼び出してぼこぼこにしたとか」
「空手で?」
「そんなことしたの?」
「そうみたいよ」
確かな証拠はない、相手も何も言わないが全員詩乃に呼び出された次の日から暫く大怪我で入院していたのは確かだ。
「あちこち骨折してね」
「それやばいでしょ」
「よく退学にならなかったわね」
中学時代のことだが私立なのでそれもあるのだ。
「相手が訴えなくて人に見付からなかったから?」
「だから何もなしだったの?」
「お咎めなしで」
「だから」
「そうじゃないの?とにかくね」
詩乃はというのだ。
「あまり付き合いたくないわね」
「どうもね」
「一緒にクラスにいるだけでも大変だし」
「お話もしたくない感じよ」
「何かね」
「嫌な感じよね」
こう言うのだった、実際に詩乃はいつも一人だった。
クラスでも部活でもだ、他人を認めず反論をすれば後輩なら容赦なく制裁を加える彼女に話し掛ける者はいなくなった。その彼女を見てだ。
同じクラスの岩田城太郎は苦い顔でだ、クラス
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