第二章
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「正直なところ」
「だから詰襟でもセーラーでもいいっていうのね」
「というか本当にどの制服ならいいんですか?」
「前から言ってるでしょ。ブレザーよ」
先生はムキになった顔で生徒に答えた。
「軍国主義の影響なんてないあの制服よ」
「あの、じゃあ」
生徒は先生が何を言っても読んでいる感じだった。その表情を一切崩すことなくそのうえでこう返したのだった。
「先生自衛隊も大嫌いですよね」
「その通りよ」
こうした考えの人の常として先生は自衛隊も嫌いだ、とはいってもとある究極の独裁国家の百万はいる軍隊はいい。
「憲法違反の人殺しの組織じゃない」
「じゃあ自衛隊の制服を制服にすることは」
「絶対駄目よ」
これもだった。
「軍国主義の亡霊は復活させないわ」
「ですよね。じゃあ」
「それじゃあ何よ」
「ブレザーも駄目になりますよ」
ここでも冷静に言う彼だった。
「自衛隊の制服はブレザーですから」
「何処がブレザーなのよ」
「ブレザーじゃないですか。前が開いた制服にネクタイがあって」
その二つ、それにだった。
「ズボンにって。それに」
「本当に幾らでも続くわね」
「ブレザーも軍隊からはじまってますから」
つまりその起源は軍服にあるというのだ。
「イタリア海軍の軍服からでしたっけ」
「そう言って何でもかんでも軍服に起源があるっていうのね」
「ケピ帽とかもですし」
帽子の話にもなる。
「とにかくブレザーもですよ」
「自衛隊が着ていて軍隊のものだからっていうのね」
「はい、先生の論理だとアウトになりますから」
「とにかく駄目よ、駄目駄目」
反論できなくなり遂に切れだした先生だった。
「軍国主義は駄目よ、復活は許さないわ」
「じゃあ将軍様の国ならいいんですか?」
「平和主義だからいいのよ」
この言葉にはそれまで黙って見ているだけだった登校中の生徒達も周りにいた先生達も唖然となった。あの国が平和主義かどうかなぞ言うまでもないからだ。
だが先生だけはこう言うのだった。
「あの国については」
「ですか。じゃああの国の軍隊の軍服なら制服にしてもいいんですね」
「当然よ。平和主義なのよ」
先生だけがあくまで言う。右手を拳にして振り回して意固地に言う。
「そんなの言うまでもないわよ」
「ですか」
この生徒はここでは言わなかった。だが。
生徒達も先生達も呆れきった顔でこう話した。
「あんな軍服着たくないよな」
「ああ、だよな」
「帽子は変に大きいし肩章もな」
「色だって悪いし仕立ても如何にも悪そうだしな」
「あれ着るんなら詰襟の方が遥かにいいだろ」
「セー
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