第四章
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「貴方達そんなことをしたいの?」
「悪いことしたのかな、僕達」
「服を濡らしたし」
「悪いことじゃないわ」
絶対にというのです。
「むしろ凄くいいことをしたのよ」
「そうなんだ」
「私達いいことをしたの」
「だって自分が濡れるのも気にしないでその猫ちゃんを助けたのよね」
「うん、こうするしかないって思って」
俊一が答えました、子猫は今も彼の手の中にいます。
「だからね」
「そう思って出来るなんて」
それこそというのです。
「滅多に出来ないから」
「だからなんだ」
「ええ、凄いわ」
こう二人に言うのでした。
「本当にね」
「そうなんだ」
「ええ、凄くいいことをしたわ」
二人にまた言いました。
「よくやったわ、ただ川の中に入るのは危ないしこうしたことは出来るだけね」
「あまりなんだ」
「しない方がいいのね」
「そう、いいことでも危ないことをする前はね」
そうした時はというのです。
「出来るだけ他の人と相談をしてね」
「そうしてからなんだ」
「決める方がいいの」
「急で出来ない時もあるけれど」
それでもというのです。
「出来るだけね」
「そうなんだ」
「その方がいいのね」
「そう、あと猫ちゃんはうちで飼いましょう」
子猫のことも言うのでした。
「貴方達が助けてお家まで連れて来たのも何かの縁だしうちの家族皆動物好きだし」
「じゃあうちで飼って」
「これからも仲良くなのね」
「しましょう、それと風邪をひいたらいけないから」
このことも言うのでした。
「すぐにシャワーを浴びて着替えなさい」
「うん、じゃあね」
「そうするわね」
「本当に凄いことをしたわね」
「凄いこと?」
「そうなの?」
「そうよ、誰かを助ける為にそこまで出来たことは」
川に飛び込めた様なことはというのです。
「凄いことよ」
「僕達別に」
「そうよね」
「猫ちゃんが困っていたからそうしただけで」
「どうしようかって思ってね」
「それでどうしようもないって思って諦めるか逃げる人もいるの」
お母さんはこう言うのでした。
「けれど貴方達はそうしなかったからね」
「凄いんだ」
「そうだったの」
「そうよ。その凄いことが出来たから猫ちゃんは助かったのよ」
子供達にこりと笑って言うのでした、そしてお父さんとお兄ちゃんが帰ってきてからでした。家族でその子猫の名前を決めて五人と一匹で仲良く何時までも暮らしました。
子猫救出作戦 完
2017・6・14
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